プロ直伝の「茶葉選び」に学べ!「冷たいお茶」の最高の淹れ方(1)
丁寧に淹れたひんやり冷たいお茶は夏の疲れた体を癒してくれる、最高の涼味。そのひと滴に驚くほどの旨みが凝縮していてエネルギーチャージにすら感じるほど。ゴクゴク飲みたい日々のお茶や、少し特別なときの一杯も、少しの手間と気遣いで驚きのおいしさに!その技、プロに教わります。 【画像】玉露、煎茶、番茶、ほうじ茶、抹茶の5種類を比較
教えてくれる人『ひやかしIPPODOTEA』店長森下航汰さん
2024年4月に東京・表参道に出現した、お茶の老舗『一保堂茶舗』が手がける期間限定カフェの店長。 一保堂茶舗:https://www.ippodo-tea.co.jp/
茶葉選び
1.『玉露』 摘み取り前の一定期間、日かげで栽培。陽光を浴びることで生まれる渋みが抑えられ、とろりと甘くまろやかな味わいに。凝縮された旨みは冷茶でひと層際立つ。ゴクゴク飲むというより、ゆっくり味わう"とっておきの一服"向き。 2.『煎茶』 日本人に最もなじみ深い緑茶の代表格。日光をたっぷり当てて育てる露地栽培で、茶の若葉を摘んで蒸し、針のような形に揉み上げる。渋みと甘みの調和、清涼感のある後味が特長だ。食事に合わせやすく、シーンを選ばずに楽しめる。 3.『ほうじ茶』 番茶をローストして、香ばしさを引き出したお茶。長く余韻のある風味が魅力のひとつで、味わいはさっぱりしているから日常茶として大活躍。また、ほっとしたいときや気分転換したいとき、脂っこい食事の後や就寝前にもおすすめ。 4.『番茶』 煎茶が成長して硬くなった、日なた育ちの葉で作られる庶民派のお茶。柳の葉に似ていることから、「柳」とも呼ばれる。渋みは軽やかで、味わいはすっきりなため、子供から大人まで広く味わえる。爽快な香りは冷茶でも健在だ。 5.『抹茶』 玉露同様、日かげ育ち。旨みをいっぱいに蓄えた茶葉を石臼で細かく挽き、粉末状にしたもの。日光を浴びた茶葉より渋みが少なく、ふくよかで濃厚な甘みと旨み、力強い香りが感じられる。鮮やかなグリーンは見た目にも涼やか!
茶葉の"らしさ"とシーンに合わせた淹れ方で、味わい∞
ライター飯田(以下、飯):冷たいお茶って、そもそもどんな茶葉でも淹れられるんでしょうか。 森下さん(以下、森):はい、淹れられます。必ずしも水出し用である必要もなく、家にある普通の茶葉で愉しめますよ。 飯:専用の茶葉じゃないとダメかと思っていました。煎茶や玉露、抹茶と、いろいろなお茶がありますが、どのように選んだら? 森:日本茶は畑によって大きく2種類に分かれます。日かげで育つ抹茶と玉露は、渋みが少なく、旨みの強いまろやかな味わい。一方、日なたで育つ煎茶と番茶類は、爽やかな香りと渋みが特長です。まずはそれを基準に、味の好みで茶葉を選ぶといいですね。 飯:なるほど。となると、家でおいしく淹れられるかが問題。温かいお茶より難しそうですが……。 (淹れ方編に続く)