日本が誇る先端技術をふんだんに盛りこんだ「MOON-TECH®(ムーンテック)」の凄さに迫る!
ー吸汗速乾やUVカットなども備わっているのですね。 はい。しかもUVカットは白でもUPF50+と最高レベル、吸汗速乾性も脱水したら半分乾いているという信じられないレベルです。 また、汗じみやベタつきのなさにも注目してほしいですね。光を乱反射させる光学迷彩効果で、水分を視認する光の屈折をぼやけさせる驚きの先端技術で、汗じみが非常に見えにくくなっています。 また表と裏で素材の密度を極端に変える特殊編構造で、毛細管現象によって内側の汗を外側へ強制的に吸い上げる構造になっています。そのため、びしょびしょに汗をかいた状態でも内側にはほとんど水分が残らず、肌面はサラサラ感が持続します。
ーこれほどの機能を備えていますが、製品化に至るまでに苦労はありましたか。 モノづくりにおいては、もちろん今までにない商品の製品化特有の苦労はありました。とはいえ東レだけでなく、コンセプトに賛同してくれた日本が誇る技術企業からも全面的に協力いただけたので、意外にスムーズに進んだというのが実感です。 製品化に対して納期が若干遅れるなどありましたが、プロジェクトの主旨を理解してくださっているユーザーが多く、応援の言葉をいただけたりすることもたくさんありました。そういう面では本当に幸せなプロジェクトだと思います。 逆に悩んだのは、日本が誇る技術を使えばある意味どんな商品にもチャレンジできるので、「どういった商品をつくるのか」という商品コンセプトには迷う所がありましたね。 ただ、迷った際は最終的にはユーザーの声を反映するようにしていて、それも新しいユーザーコミュニケーションの形になってきているように思います。
ーユーザーからの意見を反映したのはどのような部分ですか。 たとえば、昨年夏に「MOON-TECH®」の半袖が非常に売れた際に、数名のお客様より「Vネックも欲しい」という要望が入りました。 夏場のお申し出だったので、てっきり次の春夏向けのご依頼かと思いきや、「冬場のインナーとして着たいので、できるだけ早く商品化してほしい」と言うのです。 正直、Tシャツを10月、11月に発売してもあまり売れないのではないか?とも思ったのですが、ユーザーの声に従い迅速に発売を行ったところ、1ヶ月に商品枚数で3,000枚以上、約1700万円もの受注をいただき、大変驚きました。 やはり着用いただいたお客さんの声をダイレクトに取り入れるのが商品のアップデートには必要不可欠ですし、その声こそがわたしたち迷いの多いファッションビジネスの従事者にとって最高の「羅針盤」になると実感しています。 また商品企画だけでなく、価格もできるだけユーザーが使いやすい、購入しやすいレベルに落としこみたいと考えています。 「MOON-TECH®」Tシャツは元々8,000円程度で販売していたのですが、多くの方々に購入いただいたことで生産の効率化を進めることが可能となったので、それをユーザーに還元する意味で、昨年の秋に税込み5,940円に変更しています。 加えて弊社では商品のキャッチコピーもユーザーの声を元にしているのですが、自分たちで考えたキャッチコピーよりも100倍ユーザーに刺さると感じています。 「気がつくと、こればかり着てしまう。」あるいは「無敵のTシャツ」といった「MOON-TECH®」商品のキャッチフレーズはユーザーの言葉そのままです。ユーザーからも大きな反響を呼んでいます。 ーこれだけの機能を付けても、値下げできることに驚きました。 もちろん企業努力の面もありますが、僕らの目的は収益を最大化することではなく、先端素材の素晴らしさを知ってもらったり、触れてもらう人を増やしたりすることです。 日本人は職人気質で、わたしたちも「良いものは誰かが気づいてくれる」と思っていましたが、今は時代が変わりました。良いものは良いとこちらから伝えていく仕組みづくりが必要だと感じます。 生産サイドにもしっかり収益が出るよう話し合いを繰り返しつつ、一方で少しでもユーザーが買いやすい価格にしていくことは簡単な作業ではありませんが、ユーザーにもその工程を透明に開示していくことで、作り手から使い手まで関わるすべての方々の納得性が高い価格帯を見出していきたいですね。 繰り返しになりますが、「MOONRAKERS」の透明な活動を通じて、日本にはこんなにも素晴らしい技術があるんだということを知っていただければ嬉しいですし、それを成し遂げていくためには、作り手と使い手を繋げて、すべての方々に納得していただけるバランスを見出していくことが何より重要だと感じています。