全国的に多い「意図しない定期購入」の消費者相談。消費者庁がPIO-NET相談を分析
消費者庁の新未来創造戦略本部は5月23日、PIO-NET(国民生活センターと全国の消費生活センターなどに寄せられた相談情報を蓄積しているデータベース)データに登録された消費生活相談の分析結果を発表した。オンライン取引全体の相談では全国的に意図しない定期購入に関する相談、副業サイトの解約や返金に関する相談が多いと消費者庁では解説している。 今回の分析は、テキストマイニング技術を用いて地区と年代別などで分析を試みた。対象は、2023年7月から9月までに受け付け、11月末までにPIO-NETに登録された相談。 全国を9地区(北海道、東北、関東、北陸、東海、近畿、中国、四国、九州沖縄)に分類し、オンライン取引に関する相談のみと「19歳以下」「20~39歳」「40~64歳」「65歳以上」と年齢層別に分析。各地区の消費生活相談データについて分析し、相談ごとの主要なテーマの代表的なキーワード20語を抽出、相談に出てくる確率が高いキーワードを大きくして、日本地図上に表示した。 年齢別の分析結果を見ると、若年層では各地区で上位となるキーワードは「ゲーム」「スマホ」「課金」と、オンラインゲームの課金に関するものを想起させる結果となった。
消費者庁は同年代の全国共通で多かった相談事例として、オンラインゲームの課金による高額請求に関するものが多く、18歳未満が行った課金について未成年者の契約取消権の行使を希望する保護者からの相談も多いという。地域傾向としては東北と北陸で副業サイトでの高額課金に関する相談が多かったという。
そのほか年代別では代表的なキーワードでは「会社」「商品」「電話」「契約」「解約」といったワードが並んだ。
消費者庁による解説では、「20~39歳」では、全国的に多かった相談事例として副業サイトの解約や返金に関する相談、ECサイトで購入した商品が届かないという内容、意図しない定期購入に関する相談をあげた。地域別では、一部地区で美容系サービスの提供事業者倒産に伴う解約・返金に関する相談が多かったという。