黒いプラスチック製キッチン用品に有害な化学物質? 英科学誌に掲載
※この記事は、海外のサイト『delish』で掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。 自宅のキッチン用品をチェックする必要があるかもしれない。最近の研究で、黒いプラスチック製キッチン用品に警戒レベルの有毒な難燃剤が含まれていることが明らかになり、それらの使用に伴う潜在的な健康リスクに対する懸念を招いている。 科学誌『ケモスフェア』に掲載されたこの研究は、子供のおもちゃや食品容器と共に、これらのキッチン用品が電子廃棄物のリサイクルによって汚染されている可能性を浮き彫りにした。
もっとも懸念される発見は、がんやそのほかの深刻な健康問題につながることから、2021年に米環境保護庁によって禁止された難燃剤のデカブロモジフェニルエーテル(decaBDE)の存在だ。調査では、検査した黒いプラスチック製品の70%にdecaBDEが含まれることが判明し、そのレベルは欧州連合が定めた安全基準を大幅に上回っていた。スパチュラや穴あきスプーンのようなキッチン用品の場合、使用者は一日平均34.7ppmのdecaBDEに曝されると推定されている。 「企業はプラスチック製の電子機器に有毒な難燃剤を使い続けており、それが予期せぬ不要な有毒物質への曝露を引き起こしています」とプレス声明で述べるのは、この研究の共著者で「トキシックフリー・フューチャー」の科学政策部長であるメーガン・リウさん。「これらの発がん性化学物質は、そもそも使用されるべきではありません。しかし、リサイクルによって、さまざまな形で私たちの生活環境や家庭に入り込んでいます。私たちが発見した高い数値に、懸念が高まります」 これらの結果を考えると、消費者はより安全な代替品を検討することが推奨される。リウさんは、プラスチック製のキッチン用品を、ステンレススチールやそのほかの非プラスチック素材に置き替えるよう提案している。これにより、有害な添加剤への曝露を大幅に減らすことができる。ほこりを払う、掃除機をかける、頻繁に手を洗う、適切な換気を行うことも、汚染された可能性のあるほこりを取り除くのに役立つ。