安田大サーカス・団長安田「阪神・淡路大震災で、親友がいる崩壊したビルに声をかけ続けて。友を亡くして、僕は芸人になった」
◆いざというとき助けてくれるのは 講演やブログでもお伝えしていますが、災害が起こった際に何よりも必要なのは水です。つい洗い流したくなってしまうけれど、お風呂に残り湯を貯めておけば、生活用水として、2、3日は使えます。 あと、実際に被災した経験から言うと、食品用のラップがめっちゃ活躍するんです。食器を汚さずに済むし、寒いときは体に巻けば防寒具代わりにもなる。 また、当たり前かもしれないけれど、足の裏をガラスで切ると何もできなくなるから、地震が起きたら、家の中でも絶対に裸足で歩かないこと。普段から、枕元にスニーカーか、スリッパでもいいので何か履き物を置いておけと、うちのヨメと子どもたちにも言うています。 そして、何よりも大切なのは人とのつながりです。以前、番組の取材でお話を伺った、ヨットで世界を一周している方によると、「海で嵐に遭ったり、座礁するかどうかは運次第」なんだそう。自然災害もそれと同じで、どんなに気をつけていても避けられない。 いくら念を入れて食料や防災グッズを備蓄しておいても、地震で家ごと潰れてしまったり、火事で燃えてしまうこともあるでしょう。そんなとき助けてくれるのは、やっぱり人なのだと僕は思います。 そのために、日頃から近所の人に会ったら「おはよう」の一言でいいから挨拶を交わしておくといいですよね。人間は、一言もしゃべったことがない人は助けづらい。 でも、普段から挨拶を交わしている相手が困っていたら、食料だって分けてくれるだろうし、「あそこに行くとこれがもらえるよ」という情報も教えてくれるでしょう。だからこそ、「笑顔で挨拶」が大切。そんな些細な習慣が、いざというときに自分を助けてくれるのだと思います。 (構成=内山靖子、撮影=本社・武田裕介)
団長安田
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