「英断すぎる」と拍手喝采! スタバの「賛否両論の紙ストロー」廃止が「消費体験を低下させる”意識高い施策”」からの転換点になる理由
紙ストローの廃止が話題となったスターバックス。今回の変更がネット上で大きく支持されている背景とは? そして、スタバの狙いとは? 新著『ニセコ化するニッポン』も話題の、気鋭のチェーンストア研究家・谷頭和希さんが解説します。 【画像で見る】廃止に歓喜の声があふれた「スタバの紙ストロー」 カフェチェーン大手のスターバックス コーヒー ジャパンが、これまで提供していた紙ストローを順次、バイオマス素材ストローに変更していくことを発表した。 この試みは、2025年1月から沖縄県の店舗32店舗で実験的に行われ、3月から全国の店舗へと拡大していく見込みだ。
近年、「SDGs」や「ESG」といった言葉を掲げて、各社で環境に配慮した取り組みが行われている。特にプラスチックに関してはそのリサイクルなどを促進するための「プラスチック新法」が2022年から施行されていることもあり、スターバックスだけでなく、マクドナルドなど各社で紙ストローへの転換が進んでいた。 スターバックスはそれより前の2020年から紙ストローを取り入れており、そして今回もいち早く「バイオマス素材ストロー」を取り入れることを発表している。
今回のスタバの施策について、筆者は「スタバという企業のあり方をよく表している」と感じた。どういうことか、解説しよう。 ■プラスチックだが「溶ける」ストローを採用 本件に関してスターバックス コーヒー ジャパンが発表しているプレスリリースによれば、バイオマス素材ストローの導入によって「飲み心地の良さと環境負荷低減を両立し、お客様と地球環境にとってポジティブな未来につながる」という。 先ほども述べた通り、スタバは2020年よりプラスチックストローを紙ストローに変える施策を行っており、企業全体として「エコフレンドリー」なブランディングを進めている。
これをお読みの読者の中にも「スタバはエコに気を遣っている、意識高い」とイメージする人も多いだろう。 こんなスタバのことだから、プレスリリースでも「環境負荷の低減」が押し出されている。今回、スタバが取り入れたのは、カネカの「生分解性バイオポリマー Green Planet」。 プラスチック製品ではあるものの、海洋の中で長い時間をかけて分解がされるもので、「永遠のゴミ」になってしまうプラスチック製品の欠点が改善されている。