フィギュアGPファイナル中止で広がる波紋…年末のボクシングの2大世界戦の村田対ゴロフキン、井岡対アンカハス戦も難しい?!
11月30日の午前0時から政府が始めた外国人の新規入国禁止措置は、1か月は続く予定で、12月29日にさいたまスーパーアリーナで予定されているWBA世界ミドル級スーパー王者の村田諒太(帝拳)と“ミドル級最強”のIBF世界同級王者、ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)の統一戦 、大晦日に予定されている4階級制覇王者で、現WBO世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(志成)とIBF世界同級王者、ジェルウィン・アンカハス(フィリピン)の統一戦の開催にも影響が及ぶことが避けられない状態になった。 しかし、村田、井岡の両陣営に対して、窓口となっているスポーツ庁からの明確な方向性の伝達はまだない状況。 井岡陣営の関係者は、「問い合わせているが、まだスポーツ庁からの返答がない状態。ただ隔離期間などを考えて準備の時間を考えると、明日(3日)には決断を下さねばならないでしょう。なんらかの方向性が示されると思います」と動揺を隠せない様子だった。 ただボクシングの2大ビッグマッチは、GPファイナルとは状況が異なる。入国人数と来日する国が少なく、管理しやすいようにコンパクトにまとめられている点だ。 ゴロフキン一行は30人程度で、すべて米国からの入国。加えて、ジャッジやオフィシャルも数人規模で海外から招くが米国で固められている。スポーツ庁の指導に従い、ホテルのワンフロアを確保するなど、厳格な“ボクシングバブル”が用意されており、オミクロン株の侵入、感染を防ぐ万全の態勢が準備されている。加えて、帝拳は、在留許可など、すべての必要な申請をクリアしている。 アンカハスもフィリピン人だが、米国からの入国で、こちらの来日スタッフは数人程度。ジャッジもすべて米国からの入国で、ゴロフキンと同様にホテルのワンフロアを貸し切り、試合まで“ボクシングバブル”がキープされる。 また井岡は、緊急事態宣言が出されていた9月に「公益性」が認められ、フランシスコ・ロドリゲス・ジュニア(メキシコ)と無観客ながら、厳格なガイドラインを守り大田区総合体育館で防衛戦を行った実績もある。このあたりのGPファイナルとは、異なる部分に開催に向けて一縷の望みは残るが、一方で制限が緩和されていた「3日間の完全隔離」を条件に来日を決断していたゴロフキンやアンカハスが、「2週間の完全隔離」が絶対条件となった場合に、すんなりとのむかどうかという問題もあり開催は極めて難しい状況だ。 そして、そもそも「2週間の完全隔離」を試合開催の条件として求められるのであれば、時間が残されていない。井岡陣営は、大晦日に生中継するTBSサイドとも最悪のケースを想定しての協議に入った。審議継続なのか、延期、あるいは中止の決定なのか。状況は極めて厳しいが、今日3日にも方向性が示されるものと考えられている。 (文責・論スポ、スポーツタイムズ通信社)