ポガチャルが4連勝を達成、初戦と最終戦を独走勝利、25勝で偉大なシーズン締めくくる【Cycle*2024 イル・ロンバルディア:レビュー】
「ダウンヒルの後のアップダウンで、僕は攻め続けた。さらなる秒差を稼ぐためであり、このチェイスの心理戦を制するためでもあった」(ポガチャル)
残り20kmを切ると、ついに均衡が崩れた。最終盤は「もはや死んでいた」というエヴェネプールに対して、精神的な余裕を得たポガチャルは、「オフシーズンのことを考えながら」悠々とフィニッシュへ突き進んだ。最終的にタイム差は、3分16秒にまで広がった。
「シーズンを始めた時と同じやり方で、シーズンの終わりも祝いたかった。だからバイクを持ち上げたら素敵だなと思ったし、最高の写真が撮れたんじゃないかな」(ポガチャル)
2024年初レースとなった3月2日、81kmもの独走の果てにストラーデ・ビアンケを制し、カンポ広場で自らのバイクを天に突き上げた時のように、2024年最終レースとなった10月12日、コモ湖のほとりのフィニッシュラインで、ポガチャルは愛車コルナゴを高々と掲げ上げた。これにてイル・ロンバルディア4戦全勝。2年連続シーズン初日&最終日勝利というおまけ付き。……もしもシーズン初戦のステージレース総合優勝を「初戦優勝」と数えるならば、4年連続シーズン初戦&最終戦勝利となる。 シーズン25勝は、2005年アレッサンドロ・ペタッキと並ぶ21世紀最多記録。内訳はワンデー6勝、ステージレース総合3勝、ステージ16勝。また個人タイムトライアルを除き独走勝利は18勝で、うち9勝が10km超の大アタックによるものだった。ちなみに今季のポガチャルにとって明らかに「負け」と言えるのは、ミラノ~サンレモ(12人によるスプリントで3位)、ジロ第1ステージ(3人によるスプリントで3位)、ツール第11ステージ(ヴィンゲゴーとの一騎打ちスプリントで2位)くらいのものか……。
またモニュメント7勝目は、マチュー・ファンデルプールを1つ上回って現役単独最多に。9月29日にマイヨ・アルカンシェルを着てから負けなしの2連勝(10月8日出走のトレ・ヴァッリ・ヴァルジーネはレース中止でニュートラル)は、2005年世界王者のトム・ボーネン(年をまたいで4連勝)、年をまたがなければ1977年のフランチェスコ・モゼール(3連勝)以来となる快挙である。
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