渡辺雄太が男気会見「トム引けば代表は崩壊」 八村とバスケ男子代表の関係修復へ「塁と対立する気はない」
バスケットボール男子日本代表の渡辺雄太(30=千葉J)が28日に都内で開催されたBリーグオールスター出場選手発表会後に、NBAレーカーズの八村塁(26)が男子日本代表の強化方針やトム・ホーバス監督(57)の手腕に苦言を呈した騒動に言及した。当初はオンラインで出演予定だったが、3日前に会場に来ることが決定。報道陣からの質問を受ける時間は設けなかったが、自らの口で2人の関係修復に注力する意向を示した。 【写真あり】2m6のバスケ日本代表・渡辺雄太 フジTV小室アナとの身長差ショットが話題! 日本バスケ界を揺るがす事態に発展した八村の監督批判を受け、渡辺が動いた。大きな亀裂が入った八村とホーバス監督。2人と親交の深い大黒柱は「八村選手とホーバス監督の関係性がよくなかったという事実はある」と認め「悪者は一人もいません」と前置きした上で、騒動の内情などを語り始めた。 渡辺によると、すれ違いの始まりは八村不在でパリ五輪切符を勝ち取った23年夏のW杯後の会見。ホーバス監督から「彼がやりたいのであれば、彼から声をかけてくると思う」と突き放されるような発言をされた八村が激怒した。渡辺は直後に八村と連絡を取り、監督が高圧的な姿勢で発したものではなく、また八村を悪者にする意図はない真意を説明したが「仮にそうだとしても世間からそう思われる時点であの発言はまずかったのでは」と怒りは収まらなかったという。 八村の所属する代理人事務所はNBAに集中させるため、八村とホーバス監督が直接連絡する手段を遮断。意思伝達には日本協会(JBA)→代理人→八村と最低2人以上が間に入る。同事務所に所属する渡辺はクライアントを大切に扱う事務所に理解を示しつつ「いいコミュニケーションが取れるわけがない」と指摘。「2人がいい関係を築けるようコミュニケーションを活発に取れる状態にしたい」と関係修復を取り持つ意向を示した。 事前に八村には報道陣の前で騒動について話すことを報告し「塁と対立をする気はない」と伝えた。その上でホーバス監督について「日本代表の監督として誰よりもふさわしいと思う。今代表に関わる選手、スタッフのほとんどがそう思っていると思う」と支持を表明。「今回の件で万が一、トムが辞めてしまうようなことがあれば許せない。トムが(身を)引くようなことがあれば日本代表は崩壊していく」と危機感をあらわにした。熱弁は約16分。報道陣の前に自ら姿を現した行動に、騒動収束への強い決意がにじんだ。 【渡辺の主な発言】 「塁がいろいろな発言をした。それ自体はいいとして、ちょっと変な方向に行ってしまっている。臆測が臆測を呼んで、事実と異なることが報道されてしまったり、個が攻撃されることがある」 「誰が悪いとかいう話ではない。(代理人事務所の)ワッサーマンにとって塁は大事なクライアントで、NBAに集中してほしくて、トムとの連絡を遮断したことは理解できる。代表から連絡があった時に間に入ろうかというのは僕の代理人も言ってくれていた。僕はアジア杯とかを一緒に戦いトムとの関係もあったので、自分で連絡を取るから大丈夫と言っていた」 「渡辺対八村みたいな構図をつくるのは絶対にやめてもらいたい。その上で話すと、僕はトムが大好き。百歩譲って塁がトムをよく思わないのは分かるが、それを公で言うべきだったかは別の話。今回の件でトムと連絡を取っているが、かなりしんどいと言っている。よくこの状態でモンゴル、グアム戦で勝利に導いてくれた」 「塁にはNBAのシーズンに集中してほしい。今後さらに強い日本代表を皆さんにお見せできたらと思っている。僕も代表の一員として責任を持ってこの問題に向き合うので、引き続き応援をよろしくお願いします」 ≪八村騒動経緯≫ ▼13日 グリズリーズ戦後に八村がJBAの強化方針を「お金の目的がある」と批判。日本代表コーチの選定にも「日本代表にふさわしい、男子のことを分かっている、そういう人がコーチになってほしかった」と不満を口にした。 ▼20日 アジア杯予選の日本―モンゴル戦前日にJBAの渡辺事務総長が対応。「発言は重く受け止めている。ミスコミュニケーションがあり、彼(八村)に負担をかけてしまった」と反省。28年ロス五輪を見据えて契約延長したホーバス監督について「決定が変わることはない。最大限バックアップする」と強調した。 ▼23日 ナゲッツ戦後に八村が再びJBA批判を展開。「プレーヤーファースト(選手第一)の精神が見られない。そういう方針の日本代表ではプレーしたくない。(ホーバス監督の)練習のやり方、ミーティングも世界レベルではない」と不信感をあらわにした。