ポガチャルが4連勝を達成、初戦と最終戦を独走勝利、25勝で偉大なシーズン締めくくる【Cycle*2024 イル・ロンバルディア:レビュー】
「今レースに参加したチームメイトは、自分でも成績が出せる選手ばかりだ。パヴェル(シヴァコフ)が6位に入ったように、もしかしたら他の選手だってトップ10、トップ5、さらには表彰台を狙えたかもしれない。でもチームの全員が、ただ1つの目標、『勝利』のためだけに働いてくれた。こんなチームメイトを持つことができて僕は本当に幸運だし、誇らしい」(ポガチャル)
最後まで逃げ続けたクサンドロ・ムーリッセとテイメン・アレンスマンを、メイン集団がとらえようかという瞬間だった。残り48.4km。まるで矢のように、ポガチャルが一直線に前へと躍り出た。
「だいたい作戦通り。すごく厳しいレースだったし、最後の40kmは、いわば1対1の戦いになる。だからソルマノ山頂で十分に差をつけさえすれば、フィニッシュまでその差を保てるだろうと分かっていた」(ポガチャル)
誰一人として反応しなかった。ポガチャルは後方に置いてきたライバルたちに早々と1分差をつけ、ソルマノからの下りに飛び込んだ。
「どんな風に、どこで、タデイが行ってしまうのか、誰もが予測していた。僕が4年前に落車した橋を抜けて3km先のところだ。あそこが上りで最も厳しいところだから」(レムコ・エヴェネプール) 他のあらゆる選手と同様に、エヴェネプールも、無理にはポガチャルの後輪に張り付こうとはしなかった。むしろ「タイムロスを最小限に抑えるために」、あくまでも「自分のペース」で上る方を選んだ。逆にソルマノからの下りに入ると「全速力」に転じた。同時にまるで協力体制にないエンリク・マスや、暫く先で合流してきたレナルト・ファンイートヴェルトを突き放した。
100kmアタックの末の51kmもの独走で世界王者に上り詰めたポガチャルと、パリ五輪&世界選個人タイムトライアル王者エヴェネプール。ソルマノの山頂から延々15kmほどにわたって、両者のタイム差は1分15秒前後で動かなかった。まさに「1対1」の綱引き。
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