医者が冬を感じる怖い病気「高血圧」 男性は30代、女性は50代から増加 アラフォー世代も要注意!
医者芸人しゅんPのアラフォークリニック
群馬大医学部卒の内科・美容皮膚科医でありながら、吉本興業所属のお笑い芸人でもある「しゅんしゅんクリニックP」さんが、自身も含むアラフォー世代の健康管理についてアドバイスします。 【図解】家庭での血圧の測り方
医療従事者版? 枕草子
ヘイヘイドクター、ヘイドクター! 季節の移り変わりを病気で感じる! 春はあけぼの……夏は夜……秋は夕暮れ……冬はつとめて…… かの有名な清少納言の枕草子の冒頭では、四季折々の美しい光景や風情を描いています。 春は花粉症、夏は脱水症、秋はぜんそく、冬は高血圧 こちらは、医療従事者が季節ごとに「多くなってきたな」と感じる病気です。字面だけ見ると、だいぶ怖い枕草子ですね(笑)。 ぼくら医療従事者は、診察で増えてきた症状や病気で季節の移ろいを感じるすごく気味の悪い人々です。例えば、患者さんの血圧が高くなってくると「あぁ、今年も冬が始まるな」と、槇原敬之さんの名曲『冬がはじまるよ』ばりのセリフが口から飛び出てきます。 さて今年も11月。寒い時期になってきました。 実際、血圧は冬に上がりやすくなります。これは、寒さにより全身の血管が縮むためです。血圧というのは、血液が血管を押す圧力のこと。 例えばホースの水を想像してもらうとわかりやすいのですが、ホースの先をつまんで狭くしたときの方が水は勢いよく流れますよね。このとき、ホースの中では水の圧力が強くなっています。それと同じことが血管の中でも起こっています。 「いやいや、別に血圧が高くなっても特に困ることないじゃん! 何も症状出てないし!」 そう思う気持ちもわかります。でもね、血圧が高くなると色々な病気のリスクが上がるんです。
心筋梗塞や脳出血、認知症などのリスクに
血圧が日常的に高い状態を高血圧と言います。聞いたことありますよね。高血圧は血管の病気なので、血管に関わる病気のリスクが上がります。 例えば、心筋梗塞(こうそく)や脳出血や脳梗塞。これは心臓や脳の血管が詰まったり、破けたりする病気です。致命率が高いくも膜下出血や、その原因となる脳動脈瘤(りゅう)もです。さらには腎臓病や眼底出血、認知症などのリスクにつながります。 こうやって聞くと怖いですよね……。厚生労働省のデータでも、心筋梗塞などの心疾患による死亡数は夏よりも冬の方が明らかに多くなっています。 張り詰めた血管というのは、それだけ体に悪さを及ぼすんですね。 ちなみに高血圧は、男性は30代、女性は50代から増え始めます。アラフォーのみなさんにとって注意すべき病気の一つなのです! 確かに、高血圧自体は症状が出ないことが多いです。でも、色々な病気のリスクを高めるので、適切に保っておくことに越したことはないですよね。