「引退する前に息子とNBAで同じコートに立つ」40歳レブロン・ジェームズが叶えた“夢”…1年半前、心臓発作で倒れた息子と“奇跡の共演”
12月30日で40歳になったレブロン・ジェームズ。NBAという世界最高峰の舞台で起きた、まるで映画のような“親子共演”――その裏には知られざるストーリーがいくつもある。父から子へ受け継がれたものとは? 【画像】「大きくなったなあ~」10歳の息子ブロニーと遊ぶ父レブロン…あれから14年、親子でNBAのコートに立った映画みたいな奇跡の瞬間 父と同じ職場で働くことになった息子は、父親といっしょの車で“通勤”するかと聞かれると、迷うことなく全面否定した。 「絶対嫌だ。ただでさえいっしょにいる時間が多いのだから、できるだけ遠くに離れていたいよ」 父は、12月30日に40歳の誕生日を迎えるレブロン・ジェームズ。息子は10月6日に20歳になったブロニー・ジェームズ。レブロンが所属するレイカーズが6月のドラフトの2巡目全体55位でブロニーを指名したことで、NBA史上初の父子チームメイトとなった。 歴史的な出来事であり、ふだんから仲がいい2人が共にチームメイトになったことを喜んではいるのは確かなのだが、ブロニーのこのコメントには20歳前後の息子の本音が見え、普通の父子なのだなと微笑ましく感じた。 とはいえ、彼らがやっていることは“普通”ではなく、特別なことだ。NBA史上で40代まで現役だったのはわずか31人というNBAで、父が40前後まで現役トッププレイヤーとして活躍しているのも稀なことだし、父がまだ現役のうちに息子がNBAに入れる年齢になり、実際にNBA選手になるだけの実力を備えていることも珍しい。同時期にNBA選手になるだけでも史上初なのに、ましてやチームメイトだ。そんな特別なことを、レブロンとブロニーは成し遂げた。
「引退する前に息子とNBAの同じコートに…」
ここまで、まとまった時間で2人が同時に試合に出たのは2回。1回目は10月6日、ブロニーの20歳の誕生日に行われたプレシーズン試合。第2クォーター開始から4分9秒の間、父と子が揃って試合に出た。 レブロンは、試合後にその瞬間のことを聞かれ、「まるで『マトリックス』のようだった」と、仮想空間を描いた映画の世界に喩えた。 18歳でNBA入りして以来、新人王、得点王、アシスト王、MVP、NBA優勝、オリンピック金メダルなど、ありとあらゆる経験をしてきたレブロンだが、NBAの試合での息子との“共演”はさすがに初体験。しかも、2年ぐらい前から「引退する前に息子とNBAで同じコートに立つことが夢」と公言してきたことが実現した瞬間だったのだから、いつも冷静な“キング・ジェームズ”も、どこかフワフワした感覚だったのだろう。 プレシーズンゲームでもそうだったのだから、その半月後の10月22日に公式戦で共に試合に出てきたときは、さらに格別だった。ブロニーが出場するタイミングをあらかじめ告げられていたのか、第2クォーターにいったんベンチに下がったレブロンは、ベンチで隣に座っていたブロニーにアドバイスの声をかけた。 「準備はできているか? 見ていてどれだけ激しいかわかっただろう? でも、考えすぎずにのびのびとプレーするんだ。ミスを心配せず、ただ全力でプレーすればいい」 その数分後に父子揃ってスコアラーズテーブルに交代を告げに行き、並んでコートに入った。息子がNBA選手として公式戦デビューした瞬間に立ち会う。しかも、ただその場にいただけでなく、チームメイトとして助け、直前にアドバイスをする。それは家族を何よりも大切にしてきたレブロンにとって、特別なことだった。
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