2013年生まれの“小学生レスラー”がデビュー「昔だったら考えられないこと」ジャガー横田も期待する新人・NENEが見せた“真っ向勝負”
何度も繰り出したエルボー、ドロップキック
団体初の小学生レスラーを“聖地”後楽園でデビューさせようというプランだ。では、それに見合うだけの能力とはどんなものだったのか。本人の言う基礎とはどんなものか。佐藤が説明してくれた。 「小学生でも大人でも、プロレスの基礎は一緒です。相手の技をしっかり受けること。攻撃で言ったらエルボーやドロップキック、ボディプレス。少ない技でも試合を組み立てられるのが大事で、それができたら次のレベルに上げていくんです。まずは自分の足でリングに立って、自分の足で帰ってくること。その第一段階ができていたのでよかった」 試合は6分50秒で尾﨑の勝利。短時間と言えば短時間だが、尾﨑が得意とするアルゼンチン・バックブリーカーでギブアップするまで、NENEが見せた闘いは佐藤が言った通りのものだった。 エルボー一発で吹っ飛ばされても立ち上がる。逆に自分の攻撃は一発では効かない。エルボーもドロップキックも、ひたすら数を出した。逆エビ固めに捉えられると必死の形相でロープに手を伸ばす。秘策もなければ奇策もない。道場で教わった技を全力で出すだけだった。 「(チャンピオンとの対戦で)凄く緊張したんですけど、今出せる精一杯の技が出せました」(NENE)
11歳の“真っ向勝負”を対戦相手も称賛
試合で使われた技は、プロレスファンでなくとも知っているような基本的なものばかり。だからこそ、その威力や精度が問われてくる。試合後の尾﨑はNENEを連れてインタビュースペースに現れた。第一声は「NENE、凄いエルボーするじゃん!」だった。 「小学生だからエルボーもフニャフニャだと思ったら違いましたね。音も鳴ってたし、普通に痛かった。やっぱり梅咲遥のいるディアナでちゃんと練習してるから、いいエルボーが打てるんですね。ドロップキックも打点が高かったですし、受身もできてました」 ディアナの社長は井上京子。ジャガーと同じく往年の全日本女子プロレスを知るレスラーだ。ディアナは昭和からの流れを汲む、女子プロレスの保守本流と言ってもいい。小学生のNENEも、そこで基礎を身につけたのだ。 尾﨑が讃えたエルボーは、ディアナの選手の代名詞のようなもの。さまざまな攻防の中でも強いエルボーを打つこと、エルボーの打ち合いで引かないメンタルを特に重視する。Sareee(現フリー)がそうだし今のディアナで“絶対センター”と呼ばれる梅咲もエルボーの強さで知られる選手だ。 それを美蘭が受け継ぎ、そして11歳のNENEもエルボーで真っ向勝負する姿勢を見せた。エルボーの打ち合いで引かないことは、試合の結果とは別の部分での気持ちの勝負。そこで気力が萎えてしまうと、相手にも観客にも伝わってしまう。最後まで食らいついたNENEは、試合に敗れても“ディアナの闘い”を見せた。
【関連記事】
- 【実際の写真】11歳の“小学生レスラー”NENEの奮闘写真!対戦相手を驚かせた力強いエルボーとドロップキック。デビュー戦の様子を実際の写真で見る。
- 【合わせて読みたい】中学1年生の女子プロレスラー誕生「リングでは“この野郎!”って気持ちが出ます」 新人・美蘭の闘いを同級生も応援中《特別グラビア》
- 【人気】「可愛いのに、媚びてない」水着グラビア、写真集もプロレスのため…トップ女子レスラーも絶賛する“スターダム・天咲光由(21歳)の魅力”
- 【秘話】「事務所に怒られるかな…でも本当のこと」“セクシー女優”レスラーの告白…「病んでいた」休養期間、ちゃんよたを救った“兄との電話”
- 【人気】「下着をハサミで切って、真っ裸にさせられ…」女子レスラー初の“オールヌード写真集”も、井上貴子のプロ意識「私にとっては“作品”です」