映画『モアナ2』興収900億円超えヒットの秘密。キーワードは配信・お仕事もの・モアナの上腕二頭筋?
11月27日に北米で公開された『モアナと伝説の海2』(以降モアナ2)が驚異的なヒットとなっている。 【全画像をみる】映画『モアナ2』興収900億円超えヒットの秘密。キーワードは配信・お仕事もの・モアナの上腕二頭筋? 公開2週間ですでに全世界興行収入は6億ドル(約900億円)超え。これは2019年の同時期に公開され、全世界で記録的大ヒットとなった『アナと雪の女王2』(全世界興行収入14億ドル)を上回るペースだ。この調子でいくと、アニメーション映画の世界興行収入No.1の座につく可能性もある。 日本でも12/6(金)に封切られ、公開3日間の観客数は約70万人と、週末動員数で1位を記録。 世界中で「モアナ2」がこれほどの人気を集める理由を紐解くと、環境的にはサブスク要因が、作品としては主人公モアナの成長への期待、そして「お仕事もの」としての側面が見えてきた。
配信で増え続けたファン
そもそも、前作の「モアナ1」が世界的大ヒットと呼べるかと言うと、ディズニー映画としては微妙なところだった。全世界の興行収入は6億ドル台。『アナと雪の女王』(1作目)の12億ドルと比較しても半分の規模感だからだ。 では、そんなモアナの続編が一体なぜここまでヒットしているのか。2作目は当然1作目のファンが見るわけだが、これだけの観客は一体どこから湧き出てきたのか? その秘密は「配信」にある。2019年にアメリカでスタートしたディズニーの配信サービス、Disney+(ディズニープラス)は全世界会員数が2億人に達しているが、同プラットフォームで大人気の映画こそ前作のモアナなのだ。 配信によってファンベースは広がり続け、映画公開から約7年が経った2023年には、アメリカにおいて全ての配信サービスの中でNo.1の視聴時間を誇る作品にまでなっている。 実はモアナ2はもともと、ディズニープラス向けのシリーズものとして配信される予定だった。だが、配信での人気をうけて劇場向けに再構成されることが決まった経緯がある。つまり、配信を通じて増え続けたファンたちが、この続編に殺到しているというわけだ。