古河電工、マルチコア光ファイバ対応の新型融着接続機を開発
古河電工はマルチコア光ファイバの接続が可能な新型融着機を開発した。マルチコアタイプの光ファイバは、1本の中に光の伝送路であるコアが複数あるもの。一般的な光ファイバと比較して多くの情報を伝送でき、情報通信インフラに関する次世代技術として期待されている。その接続工事に用いる開発品の融着機は画像解析や接続時の放電方式などで工夫が凝らされている。同社ではマルチコア光ファイバの普及に合わせて市場に投入するべく準備を進める。 開発品の「S185PMROF」はマルチコア光ファイバを高速・自動で融着接続できるもの。新規に製作した画像解析プログラムを搭載。ファイバのコア数や位置を自動的に確認して位置合わせをする機能などを有する。さらに融着のための放電に用いる電極を3本搭載する独自技術の「リング・オブ・ファイア」を採用しており、複数のコアすべてを均一・安定的に加熱できる。 接続損失は平均0・02デジベルで通常のファイバの接続と同等。小型・軽量でさまざまな施工環境に対応可能なことも特長となっている。現在までに自社製の試作マルチコアファイバの融着に成功しており、接続時間は1分40秒。今後は画像解析の高速化などでさらなる時間短縮などに取り組みながら、実用化を目指していく考えだ。 開発品は6月28日まで東京ビッグサイトで行われた「コムネクスト次世代通信技術&ソリューション展」に参考出展した。