昨季に無敗優勝したブンデス王者レバークーゼンの現在地。一時は不穏な空気がチームを包んだが…【現地発コラム】
終盤で失点を重ねる試合が少なくないのが気がかり
レバークーゼンにとって2023-24シーズンは輝かしい1年だった。シャビ・アロンソ監督の卓越した戦術指導と人間掌握術の下、勝利の哲学を植え付けられたチームは、ヨーロッパリーグこそ決勝でイタリアのアタランタに敗れたものの、無敗でのクラブ史上初となるブンデスリーガ制覇とDFBカップ優勝との2冠を達成したのだ。 【画像】小野伸二、セルジオ越後、大久保嘉人、中村憲剛ら28名が厳選した「 J歴代ベスト11」を一挙公開! 底知れぬポテンシャルを誇るドイツ代表MFフロリアン・ヴィルツや中盤の司令塔スイス代表MFグラニト・ジャカ、あらゆるタスクをハイレベルでこなすスペイン代表SBアレハンドロ・グリマルドらが奏でるハーモニーは極上で、その恐ろしいまでのチームの成熟度に「これからレバークーゼンの時代が始まるのでは?」と思ったドイツのサッカーファンも少なくはない。 だが、王者として迎えた今季、11節終了時点で首位を走るバイエルンに勝点9もの差をつけられていた。ヴァンサン・コンパニ新監督のもと9勝2分けと安定感のある戦いを見せているライバルに対して、レバークーゼンは5勝5分1敗と勝ち切れない試合が多い。昨季はアディショナルタイムに同点、あるいは逆転勝ちをする戦いぶりが世界のサッカーファンを驚愕させたが、今季は逆に終盤で失点を重ねる試合が少なくないのが気がかりだ。 「優勝するのは難しいが、連覇をするのはさらに難しい」 昔からよく聞く言葉の重さをレバークーゼン関係者は感じていることだろう。11月、チャンピオンズリーグのリバープール戦では0―4の完敗、続くリーグ10節の最下位ボーフム戦では、アディショナルタイムに三好康児にゴールを許しまさかの引き分け。続くハイデンハイム戦では序盤に不用意なミスから連続失点を喫してしまう。 不穏な空気がチームを包む。だが、レバークーゼンはつぶれなかった。慌てても、焦っても状況は好転しない。自分たちがやるべきことに集中して取り組み、それを結果につなげていく。アロンソ監督もそこを常に強調している。ハイデンハイム戦ではその後に5得点を奪って、5-2で逆転勝ちを収めた。 そして11月26日にホームで行われたCLのレッドブル・ザルツブルク戦では、昨季のような躍動感あるサッカーで相手を終始圧倒した。8分のPKは疑問の余地が残る判定だったのも確かで、11分はグリマルドが直接FKを決めたもの。だが、立ち上がりから鋭い出足で相手にプレスをかけ続け、あらゆるセカンドボールを拾い、身体の向きとポジショニングでパスコースを次々に作り出し、有機的なコンビネーションで相手守備を無力化していく。 30分、ヴィルツがペナルティエリア内で見事なドリブルからゴールを決めるとスタジアムには熱気や興奮だけではなく、チームへの確信と驚嘆の雰囲気が戻ってきた。 「普通ならありえないほどのスペースがあった」とゴールシーンを振り返ったヴィルツルツだが、実際は相手選手複数に囲まれている。見えているもの、そして判断の精度とスピードが格段に違うのだろう。 「彼がどれだけ違いを生み出せる選手かわかっている。正しいタイミングで正しいプレーができる。そのためにチームとしていい構築が必要になるんだ」と全幅の信頼を口にしていた指揮官は、3-0としても油断はしない。MFエセキエル・パラシオスを呼び寄せるとすぐに修正点を丁寧に伝えていたのが印象的だった。
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