今が旬の春菊とゆずは師走のストレス対策にもぴったり!「春菊とゆず鶏団子のスープ」〔久保奈穂実さんのおいしい漢方レシピ〕
【連載】久保奈穂実の「おいしい漢方レシピ」
古くから癒しや回復の薬としても親しまれてきた、スープやドリンク。薬膳的効能から選んだ食材で作る一杯で、毎日の生活に養生の知恵を取り入れてみませんか。国際中医薬膳管理師・漢方アドバイザーの久保奈穂実さんが、忙しくても、疲れていても、身近な食材でササっとできる、簡単でおいしくてヘルシーな漢方レシピをお届けします。
〔12月の漢方レシピ〕 ストレス不調に「鶏団子スープ」を
何かと慌ただしい12月は、お腹の張りや便通の乱れ、メンタルの浮き沈みなどストレスによる不調が出やすい時期。特にトラブルを抱えていなくても、忙しさや寒暖差も立派なストレス要因になるので、日ごろから自分をいたわって、心身を整えておきましょう。 今日ご紹介する「春菊とゆず鶏団子のスープ」は、春菊とゆずのよい香りが、気の巡りをよくして、イライラをスルンと受け流せるようにしてくれます。春菊の胃を整える効果、ゆずの消化不良改善効果、鶏肉のお腹を温める効果で、ストレスからくるお腹の不調も改善。煮込みすぎず、よい香りを感じながら食べてくださいね。
春菊とゆず鶏団子のスープ
春菊の旬は11月~2月頃にかけてで、肺の熱を取る、痰を除く、気の巡りをよくする、胃を整える、目を健康にする、情緒を安定させるなど、多くの効能があります。この時期は、鍋の具材としてぜひ積極的にとりいれたい野菜の一つです。 ゆずは旬が2回あり、夏に収穫される青ゆずは、薬味やゆずこしょうの原料などに使われます。そして10~12月に収穫される冬が旬の黄色いゆずは、今がちょうどおいしい季節。ゆずには消化不良の改善、吐き気を止める、痰を除く、魚介類やお酒の解毒などの効果も。忘年会など会食が増えて胃もたれしやすいこの時期にぴったりです。皮は温性ですが、実(み)は涼性なので、体が冷えるときは皮のほうを使って、実は少量にしましょう。
●材料と作り方
1 ) ボウルに、鶏ひき肉、刻んだ長ねぎ、ゆずの皮を入れ、酒、醤油で軽く味付けして混ぜ合わせる。 2)鍋に湯を沸かし、白だしで味を調えて1)をスプーンで丸めながら入れる。 3)鶏団子に火が通ったら、春菊を加える。サッとひと煮立ちさせたら器に盛り、ゆずの皮を散らす。
久保奈穂実(くぼ・なおみ)
国際中医薬膳管理師。漢方アドバイザー。ハードな生活で身体のバランスを崩した際に漢方薬に助けられた自身の経験から興味を持ち、中医学と薬膳を学ぶ。現在、成城漢方たまりで年間約2000人の漢方相談・薬膳講師を行っている。著書に『1日ひとつ、疲れが消える おいしい漢方365』『おいしい漢方365 いたわりスープとごほうびドリンク』(ともに世界文化社刊)。SNSで発信するやさしい養生知識や、簡単薬膳レシピも大好評。X:@naominkubo /Instagram:@naomin_yakuzen
※この記事は、久保奈穂実『おいしい漢方365 いたわりスープとごほうびドリンク』を再構成しています。