駄菓子屋で就労体験、仮想空間に居場所 東京・江戸川区の「ひきこもり」支援
■オンラインを活用
ひきこもりの問題を巡っては、区が令和3年度に行った実態調査で、人口約70万人の同区で約1万人がひきこもり状態にあることが判明した。短時間でも働ける環境など、当事者が就労に関する支援を求めていることも分かった。
区はこれらの調査結果を受け、よりみち屋を開業したほか、オンラインを活用して当事者の社会参加を促す取り組みも始めた。メタバース上に居場所を作り、事前に決めたテーマについて話し合うイベントで、参加方法はオンラインか、リアルの会場に出向くか選択できる。会場に訪れる人も増えているという。
また、より相談しやすい環境を作ろうと、今年7月にLINEの相談窓口も開設し、専門の支援員が相談に応じる仕組みも始めた。すでに13人の当事者や家族から相談があり、うち4人が支援につながった。
区福祉部生活援護管理課の高橋徹成課長は「さまざまなツールを使って一人でも多くの当事者とつながることが大切だ。まずは社会とつながるきっかけをつくることが必要と考えた」とし、「家族からの相談も併せて対応し、支援していきたい」と述べた。(王美慧)