「パーカーおじさん」に「マスゴミ批判」も…ネット界隈を盛り上げた2024年「10大ニュース」を振り返る
「万全」を「まんぜん」
【2】今井絵理子参議院議員、いつレポート出してくれるのですか問題 今井氏といえば、ガールズユニット・SPEEDで一世を風靡した後、聴覚障害のある息子のために手話を勉強し、一躍福祉にも関心を持つ芸能人としてのポジションを獲得。となれば、自民党が参議院選挙枠で目をつけないわけもなく、2016年、32歳の時に九州・沖縄比例区から出馬し、当然のように勝利を果たした。 だが、当選後、池上彰氏の選挙特番に出演した時、いかにして沖縄の基地問題に取り組むかを聞かれ、知識がないことを自ら明かしてしまったのだ! 曰く、12歳からは東京に住んでいたからだという。そのうえで、「はい、これからきっちり向き合っていきたい、その課題に取り組んでいきたいなと思います」と答えた。 自民党の沖縄政策はリベラル派から猛烈な勢いで攻撃される実にセンシティブなイシューである。生半可な勉強では議論すらできないし、沖縄の人々が抱く複雑な戦争・基地、そして「内地」に関する知識は手に入らない。その後、妻子ある神戸市議との不倫疑惑があって、そして2023年7月の自民党女性局のパリ旅行ですよ。エッフェル塔の前でエッフェル塔を模したポーズをし、一躍「エッフェル姉さん」のあだ名を獲得した松川るい氏らも帯同した楽しそうな「視察」のこと。 税金の無駄遣いを指摘され、今井氏はレポートを提出すると発表するも、結局、あれから1年5ヶ月たっても公表されていない。そうしたことから、彼女が口を開いたり何かをXに書き込んだりするたびに「レポートまだ~?」と書き込まれる。ネットの人々は執念深いのである。さっさと出した方がいいですよ。他にも国会議事堂の中でグラビア撮影をするかのようなキメキメポーズ写真公開やら、「万全」を「まんぜん」と読んだことにツッコミが入るなど、ネタキャラとしてロックオンされてしまったようである。
連日踊った「マスゴミ」という言葉
【3】トランプ氏勝利で「マスゴミ」の文字踊る、石丸伸二氏・斎藤元彦氏も同様 いつもながらの光景だった。基本的にアメリカメディアは民主党支持のリベラル派が多い。だから、アメリカ国内の報道は「ハリス氏優勢」が選挙期間中は続いた。投開票日であろうとも、「ハリス氏優勢」報道は続く。その際の根拠は、「共和党支持者が多い貧乏な小さい州は集計が終わるのが早い。だから序盤はトランプ優位に見えるだけ。後半、ペンシルベニアなど大きな州がドバッと民主党の票を上乗せする」となる。 日本のメディアもアメリカにおける取材力は弱く、アメリカメディア頼りになるし、テレビの選挙特番や情報番組でも民主党よりの専門家や研究者が登場するから「ハリス氏優勢」となる。まぁ、トランプ氏支持を表明すると低学歴のバカで、差別主義者扱いされるのが怖い、というのも民主党優勢を言わざるを得ない空気になる理由だろう。 こうした動きは、日本でも東京都知事選で発生。元安芸高田市市長の石丸伸二氏は、小池百合子氏、蓮舫氏に次ぐ3位と目されていたが結果は2位に。予想以上にネット上の支持を集めたほか、リベラル派が蓮舫氏を人気者であるかのように日々Xで喧伝したため、石丸氏を過小評価したのだろうか。その後、リベラル派は「蓮舫さんと石丸の票を合わせたら小池に勝っていた」と負け惜しみを言った。兵庫県知事選の斎藤元彦氏再選も同じ構図である。 自分が応援する陣営のことを「圧倒的ではないか、我が軍は」と選挙期間中は思うも、いざ結果が出ると「SNSのフェイク情報を信じたバカが投票に行ったせいで我が陣営は負けた」と言い出す。いやいや、貴殿ら普段は「民主主義の敗北」とか言っているでしょうよ。選挙参加は民主主義の体現ですよ。そんなことだから今回の3人をめぐって、「マスゴミ」という言葉が連日踊ったのである。