「パーカーおじさん」に「マスゴミ批判」も…ネット界隈を盛り上げた2024年「10大ニュース」を振り返る
2024年もまもなく終わるが、各メディアが真面目な「10大ニュース」を扱っている。当サイトでは、ネットで局地的に盛り上がった10大ニュースを振り返ってみよう。 【写真】「パリ視察」報告書提出を2025年に持ち越した「今井絵理子」の国会金髪スタイル
最後の牙城
【1】パーカー、身長170cm以下…男性揶揄に対し声をあげられる気運高まる この10年ほど、“ポリコレ”が日本でも進化し、障害のある人、LGBTQ、病人、高齢者、子ども、貧困家庭等へのネガティブな意見や言説はネット上で非難の対象となった。 その一方で、「中年男性叩き」は許容されてきた節がある。基本的に中年男性はパワハラをする側で、地位と立場を利用しては女性に不遜な態度を取ったり、時にセクハラや性加害をしたりする存在と捉えられる。また、ある程度カネを持っていることからも「強者」認定される。だからこそ、灰色っぽいスーツの集団を「ドブネズミルック」などと呼んでも許されたのである。スネ毛がキモい、指毛が汚い、爪楊枝を使うのがみっともない、麺をすする音が不快……ありとあらゆる面で中年男性だけは非難しても許される最後の牙城だったのだ。 ここではある程度恵まれた立場の中高年男性の話になっているものの、だったらいわゆる「弱者男性」はどうなるか。非正規雇用や無職でスキルがなく、働いていたとしても給料は安く異性にもモテず、40歳を過ぎても実家にいる男性は「子供部屋おじさん」とバカにされる。完全に弱者のソレだが、彼らをバカにし、見下すことは許されてきた。というのも、男は女よりもチャンスがあったのにそれを利用せず、ただ、人のせいにしているだけ、という捉え方をイケてる女性がするからである。
空気感が若干変わったことの表れ
なるほど、一理ある。「私たちの方がスタートラインではキツかったが、その後の頑張りで男に勝った。努力が足りないのに文句ばかり言うのはおかしいでしょう」――グウの音も出ない正論である。しかし、弱者男性に対して「デブ」「ハゲ」「クサイ」「幼稚」「キモい」「ブサイク」「貧乏人」「働け」などと呼ぶのはやり過ぎではなかろうか。男が女性に対して同じようなことをXに書いたりメディアで発言したりしたら大炎上必至。所属先には抗議が殺到する。 そんな状況下、性の多様性をめぐっては「男性器のついたトランス女性が女風呂に入ってきてもいいのか」「女性用トイレに男性器があるトランス女性が入るのではなく、すべての性が使えるトイレを作ればいい」や「トランス女性が五輪で金メダルを獲得するのを容認するのか」といった議論が今年は活発化。2023年までの性の多様性議論が若干冷静になってきた面がある。 そして今年、男が揶揄や差別に対し、声をあげるようになった。象徴的なエピソードが、若くて美人なコラムニストによる発言だ。コラムニストは「40歳近くになって、パーカーを着ているおじさんはおかしい」と発言。これには堀江貴文氏や西村博之氏といった実力派も反発し、11月のネットをざわつかせる騒動となった。しかし、男が「うるせー」と言えるようになったのは、ジェンダーをめぐるネットの空気感が若干変わった表れでは。