酸性で割れて気体を放出、シナモン粒子使ったシャボン玉開発 大阪工業大
藤井教授はこうした仕組みを食品の香り付けに応用できると考え、食べることのできるガスマーブルの作製に取り組んだ。シナモン粒子を安定化剤として使うとガスマーブルは水が蒸発しても割れずに球体を維持し、長期保存することにも成功した。液体として水ではなく牛乳や豆乳、コーヒーを用いて作ってみると、いずれも球体の形状を長期間保った。とりわけ、牛乳でできたガスマーブルは頑丈なため、歯で噛むとカリッと音がして、シナモンの香りも食感も楽しめる「おいしいとこ取り」ができる。
藤井教授は「空気は熱を伝えにくいので、断熱材などにも応用できるのではないか。どのような粒子を用いるとガスマーブルが安定化できるのか、今後も検討を続けたい。将来的には温度や光、圧力の変化でガスマーブルが割れるような手法も開発していきたい」とした。食品以外にも、化粧品やヘアケア用品への実用化を考えているという。
両研究は日本学術振興会の科学研究費助成事業の助成を受けて行われた。酸性のシャボン玉の成果はドイツの科学誌「アドバンスド サイエンス」電子版に6月25日に掲載され、大阪工業大学が7月10日に発表した。シナモンのシャボン玉の成果はドイツの科学誌「アドバンスド ファンクショナル マテリアルズ」電子版に8月6日に掲載され、同大が同月21日に発表した。