【山田孝之】「映画づくりに参加すると、みんな『子どもの頃』に戻ったような感じになる」
山田孝之さん(ミラーライアーフィルムズ・プロデューサー) 長編映画の “ものさし” に感じた「違和感」。 短編映画のオムニバスなら、周囲の声を気にすることなく、「クリエイターがつくりたいもの」を自由度高く、つくることができる。との想いが背景にあったのです。一方、メイキング映像を見ると こんなやりとりが… ●小栗旬監督 「1/96」クランクイン・冒頭あいさつ 「監督、小栗です。お願いします。時間との闘いだったり、暗い夜の撮影も多いので、まず安全第一、けがなく楽しく撮影していきましょう」「みなさん、こんな『なかなかきついプロジェクト』に ご参加頂きまして、どうもありがとうございます。最後まで頑張りましょう よろしくお願い致します!」 「1/96」撮影風景 ©2024 MIRRORLIAR FILMS PROJECT ――秋田で、撮影時かなり寒い現場で、小栗監督自身も「なかなかきついプロジェクト」と発言されていました。かなり多忙なのに、なぜ皆さんは「映画づくり」に参加するのでしょうか? 阿部 楽しいから… 山田 うん、大変だけど 楽しいですからね… やっぱり、うん。 「男と鳥」(浅野忠信監督) ©2024 MIRRORLIAR FILMS PROJECT 阿部 これ(「男と鳥」の写真を指さして)僕ですけど、すごい雪が降ってたんですけど、やっぱり普通 天候的に雪が降ると「大変だ!」というイメージがすごくあるじゃないですか。もちろん撮影は大変になるんですけど、僕らはこの撮影の前日に秋田に入って、「雪ないね」という感じだったんですよ。確かに撮影は大変になるけど、「いや~雪景色 欲しいよね~」みたいな… 実際に雪が降ってくると、みんな喜ぶんですよね。 阿部 僕らは確かに寒かったりとか、足元の問題とかありますけど、やっぱり撮った映像を見ても こういう(雰囲気のある)写真になるので なんかやっぱり感覚が「大変=つらい」という単純なものではなく、もちろん、つらい部分もありますけど、その先に「喜び」があったりもするので、「大変だから、ただつらい」っていうわけではないんですよね。 阿部進之介さん(ミラーライアーフィルムズ・プロデューサー) クリエイターの発掘・育成が目的の「ミラーライアーフィルムズ」。 その対象は「新人」だけではないといいます… 山田 「ミラーライアーフィルムズ」の目的は、いろんな人たちの発掘・育成。でもそれは「新人」っていう事だけではなくて、我々(普段は俳優)も参加しているんですけど、俳優としては、ずっとやっているけど、監督をした経験がある人はほとんどいない。「カメラの前」では ずっとやってきているけど、「カメラの後ろ」に立ってみると、どんな気づきがあるのか…って事とか、正直、挑戦しなくてもいいわけですよ…。なんだけど、「でもそこは新たなことをやってみよう」「いろんな景色を見てみよう」という事でやっていて… 山田 今回の「ミラーライアーフィルムズ・シーズン6」は、小栗旬さんと浅野忠信さんが監督を「初めて」ではないですけど、「久々に監督をやってみよう」ってことで参加してくれました。