日本製鉄、USスチールの買収巡り提訴…バイデン大統領の「禁止命令」の無効求める
日本製鉄は6日、米鉄鋼大手USスチールの買収計画を禁じたバイデン米大統領の命令の無効を求める訴訟などを米裁判所に起こしたと発表した。7日午前に記者会見を開き、今後の対応方針を説明する。禁止命令を巡り、石破首相も6日の記者会見で、「日本の産業界から今後の日米間の投資について、懸念の声が上がっている」と述べ、米政府に対応を求めた。 【図解】日本製鉄によるUSスチール買収の経緯と今後
訴訟はUSスチールと共同で起こした。理由について日鉄は「これらの法的措置は、日鉄とUSスチールが、違法で不適切な政治的介入を受けずに買収計画を進める権利を守るために必要だ」としている。
バイデン氏は今月3日、国家安全保障上の懸念や強靱(きょうじん)なサプライチェーン(供給網)の維持などを理由に、日鉄とUSスチールの両社に対し、原則30日以内に買収計画を完全に放棄するための措置を講じるよう命じた。期限は来月2日となる。
禁止命令に対し、両社は政治的な思惑から対米外国投資委員会(CFIUS)の審査手続きに不当な干渉が行われたと批判。実質的な調査に基づかずに結論が出た点や、国家安全保障上の懸念に対する証拠が提示されていない点を問題視している。
この点について、石破首相は記者会見で、「なぜ安全保障上の懸念があるのか、きちんと述べてもらわなければならない」と指摘した。その上で、「同盟国であろうと、これから先の関係において(この問題は)非常に重要だ」とも述べた。