定宿にしたいハワイ新顔ホテル3選 ワイキキ唯一極楽の湯・大人限定のくつろぎ
■ゲストは18歳以上、成人限定のくつろぎ 「ローマー ハウス ワイキキ」
オールドハワイと1940~1960年代のミッドセンチュリー、レトロとモダンが融合するしゃれた空間、落ち着いた滞在ができるホテルが2024年6月にオープンした「ローマー ハウス ワイキキ(Romer House Waikiki)」だ。ゲストは18歳以上のみ。ファミリーフレンドリーなワイキキにあって、このユニークなルールが独特の雰囲気を醸している。 エントランスの木のドアを開けると広がる空間は、そのままダイニングとバーに続き、ロビー然としていない。ホテルというより大人の領域への入り口という感じだ。1階には、この地のかつての市外局番855をつけた居酒屋をイメージしたレストランとバーもあり、朝食から夜まで食事やお酒を提供している。 モノトーンでシックなフロントでチェックインを済ませると、照明を落とした客室の廊下には、フィンランド生まれの有名スケートボーダーで写真家のアルト・サーリ氏が撮ったハワイの作品が並ぶ。ワイキキにあってどこか都会のライフスタイルホテルを感じさせるのは、ローマー ハウスのブランドが 米ニューヨーク・マンハッタンのミートパッキング地区で生まれたからかもしれない。 「リュクス・キング・ウィズ・ソファ」はじめ、客室のインテリアは丸みを帯びたキャビネットやミラー、自然素材とアクセントのパステルカラーの組み合わせなどを用いたミッドセンチュリースタイル。ほとんどの部屋には、ラナイ(バルコニー)があり、ゆとりを感じる。 また「リュクス2クイーンズ・ウィズ・スリーパーソファ」のように、6人まで泊まることができるタイプもあり(約36平方メートル)、グループで楽しむのもよさそうだ(300ドル~、税・リゾートフィー別)。 2階にある縦長のプールは加温してあり年中入れる。プールサイドにはバーがあり、たくさんのデッキチェアが並ぶ。ソファベッドにゆったり座れるカバナもあって、ここでは「泳ぐというよりドリンク片手につかる」大人のプールの過ごし方が似合う。 ワイキキの真ん中に生まれた大人のためのライフスタイルホテル。都会的なセンスとオールドハワイをリスペクトしたレトロモダンなデザインが他にない魅力を発揮している。 文:小野アムスデン道子(ライター)
小野アムスデン道子
旅行ガイドブック『ロンリープラネット日本語版』(メディアファクトリー)の編集を経てフリーに。東京と米ポートランドのデュアルライフを送りながら、国内外の旅の楽しみ方を中心に、食・文化・アートなどについて執筆、編集、プロデュース。日本旅行作家協会会員。 ※この記事は「THE NIKKEI MAGAZINE」の記事を再構成して配信しています。