自然災害が増えていますが、防災対策をなにもしておらず不安です……。防災対策を始めようと考えていますが、一般的な家庭では防災対策費用にどのくらいかけているのでしょうか?
正しい情報を得るための災害に関する用語の知識
自然災害に関する用語はさまざまですが、ここ最近、これまではあまり聞いたことのない用語が多く聞かれるようになったと感じます。初めて聞く用語であることもありますが、それぞれの用語の響きが少し刺激的で、より恐怖心を喚起されるものが多いように思われます。 私たちはこれらの情報のみに一喜一憂するのではなく、常に正しい情報を得て、適切な行動をすることが重要と思われます。主な用語の定義について確認してみたいと思います。 (1)「線状降水帯」 次々と発生する発達した積乱雲が列をなし、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過または停滞することで作り出された、線状に伸びる強い降水を伴う雨域です。 (2)「ゲリラ豪雨」 局地的に短時間で降る激しい豪雨のことを指します。規模が小さく、突発的かつ散発的に(ゲリラ的に)起こるため、事前に予測することが難しくなっています。 (3)「顕著な大雨に関する気象情報」 大雨による災害発生の危険度が急激に高まっているなかで、「線状降水帯」というキーワードを使って解説する情報です。この情報は、警戒レベル4相当以上の状況で発表されます。 (4)「記録的短時間大雨情報」 数年に一度程度しか発生しないような短時間の大雨を、観測したり解析したりしたときに発表されます。 (5)「キキクル(危険度分布)」 気象庁の大雨による災害発生(土砂災害、浸水害、洪水など)の危険度の高まりを地図上で確認できる「危険度分布」のことを指します。「キキクル」はその愛称です。 (6)「南海トラフ地震臨時情報」(宮崎県日向灘の地震後に初めて発表) 南海トラフ沿いで異常な現象が観測された場合や、地震発生の可能性が相対的に高まっていると評価された場合に、気象庁から発表される情報です。マグニチュード6.8以上の地震等の異常な現象を観測した後、5~30分後に「南海トラフ地震臨時情報(調査中)」などと、情報名の後にキーワードを付記する形で発表されます。 (7)「長周期地震動」 大規模な地震で発生する、周期の長いゆっくりとした大きな揺れ(地震動)です。「周期」とは、揺れが1往復するのにかかる時間です。長周期地震動が起こると、例えば高層ビルが大きく長く揺れることで、室内の家具などが転倒することや、エレベーターが故障することもあります。 (8)「正常性バイアス」 危険な状況であっても、ちょっとした変化なら「日常のこと」として処理してしまう人間心理のことです。災害時に陥りやすく、避難せずに逃げ遅れる原因となる場合もあります。