大人気の樹木葬墓、散骨には注意点が… 費用とメリット・デメリットが分かる「最新お墓ガイド」
いくら精神は変わらなくても……
とはいっても、とりわけ現代の日本社会は、これまでの長い歴史とは異なる事情を抱えています。超高齢少子化社会にして多死社会。いくら弔いを大事にする精神は変わらなくても、お墓を承継していく「担い手」が確実に減り続けているという現実にいや応なく直面しているのです。 お寺や霊園に和型墓石を建て、その下に骨壺を埋めて安らかに眠る。子や孫がお墓を受け継いでいく「承継」を前提とした、この従来型のオーソドックスなお墓(以下、従来型のお墓)が理想だと考えている方でも、承継者や費用などさまざまな問題から、現実にはそれがかなわないというケースが多く出てきています。 事実、新規にお墓を購入する方の4割以上は、後に詳述する樹木葬墓を選択するとの調査結果があります。すでに、承継を前提とした従来型のお墓が決してスタンダードとはいえない時代に入っているのかもしれません。
「出せても200万円」
それでは早速、多様化するお墓のあり方について説明していきたいと思います。 その前にまずは、新しく従来型のお墓を建てる場合の費用を押さえておきましょう。墓石代が60万~200万円、またお墓の土地を使用する権利代である「永代使用料」が35万~130万円必要で、総額で100万~350万円が相場といわれています。この他、お墓購入後に、お墓を維持していくための「年間管理料」をお寺や霊園に払う必要があり、こちらは年間4000~1万5000円が相場です。 私がみなさんからお話を聞くなかで一番多いのは、「お墓に、そんなにはお金をかけられないから、100万円くらいで収まるとありがたい。出せても200万円まで」という方です。もしこの予算だとすると、東京であれば郊外になり、都心部に住んでいる方からすると「遠い」と感じるようです。 しかし、費用よりも「承継」が前提となることが、現代においてはお墓購入の足かせになっている最大の理由であると思います。おひとりさまなど、承継者に不安がある方は、そもそも従来型のお墓を選択するのは難しいでしょう。建てても、いずれ無縁墓になってしまう可能性が高いからです。 では、従来型のお墓を選択しない場合には、どんなお墓が考えられるのでしょうか。