新型セブン爆誕、現地検証 まいばすけっと&オーケーがライバル?
2024年2月29日、新しいかたちのセブンイレブンが千葉県にオープンした。セブン&アイ・ホールディングス(HD)が力を入れる同店は、これまでの「コンビニ」と大きく異なることから、小売業界関係者の注目度が高い。ローソンに20年超勤務し、大手コンビニ3社や小売業全般に精通する識者が、内覧会に続いて再び訪問。オープン後の真の実力をチェックした。そこで分かった実態とは? 【関連画像】品ぞろえは既存の食品スーパーと大きく違う。消費者はどう受け止めるか 今回の新コンセプト店舗は「SIPストア」と呼ばれていて、セブン&アイHDによれば「セブン&アイグループの新たなグループシナジー創出」に向けたものだ。「今後の新たなセブンイレブンの姿を検討していく」としている。 22年8月にセブン-イレブン・ジャパン(SEJ)とイトーヨーカ堂(IY)は「SEJ・IY・パートナーシップ(通称SIP)」を立ち上げていて、今回のSIPストアはその取り組みが実を結んだものと言える。 そのSIPストア1号店が、新京成線・常盤平駅から歩いてすぐの場所に立つ「松戸常盤平駅前店」。筆者が足を運んだのは24年3月上旬で、オープン前の内覧会に続く2回目の訪問だ。その先には住宅が立ち並ぶ商圏があり、セブンイレブンが最も得意とする立地となる。 徒歩数分の場所にドラッグストア「クリエイトSD」とスーパー「おっ母さん食品館」が店内でつながる複合店舗があり、もう少し足を延ばせばベビー用品店「西松屋」も店を構える、そんな場所だ。 松戸常盤平駅前店を外から眺めると、新コンセプト店舗であることを伝える看板は見当たらなかった。では、店内を見てみよう。 正面入り口から店内に入ると、右側は既存のセブンイレブンと変わらない商品が並ぶ一方、左側にはイトーヨーカドーで扱われる食品の品ぞろえをコンパクトにしたかのような売り場が展開されている。 店内面積は通常のコンビニの約2倍、品ぞろえは約1.8倍になっていて、ぱっと見たところでは、生活に必要なものをワンストップで買えるという印象。ターゲットはタイムパフォーマンス(タイパ)よく買い物をしたい共働き夫婦を中心とする忙しいビジネスパーソンだろうか。 あるいは、「調理定年」(手料理に固執せず、中食や外食も活用すること)を迎えた高齢者世帯も考えられる。買い物のために1日700m以上歩かないという行動パターンがある高齢者を、現在以上に取り込めるかは注目ポイントだ。