どんなテンションでやっていいかわからなくて――渡部建、東野幸治と振り返るこの2年
渡部:あの日も僕は緊張していて、当然早めにお店に行って、なんて言えばいいかな、ってずっと思っていたんですけど。東野さんが来られたら開口一番、僕の近況なんて何も聞かずに、いきなり今日会った番組スタッフの悪口(笑)。そこから20分ぐらい悪口漫談をしていて。この人、すげえな、と思って。僕もあれでちょっと緊張が取れました。 東野:まあ、俺は渡部のことは実はそんなに心配してなかったし。あとはお前ががんばるだけやろ、みたいな気持ちもあったからね。
「あの日」から数ヶ月は全く覚えてない
かつての渡部は数々のレギュラー番組を持ち、司会者としても活躍していた。しかし、2020年6月に『週刊文春』で複数の女性との不倫関係が報じられると、芸能活動を全面自粛することになった。 東野:『週刊文春』の記者に家の前で直撃されたのは全く想定外だった? 渡部:そうですね。生放送終わりに車が停まっているっていうのはずっと前からあったんですけど、今日は何かいつもより多いな、ぐらいの感じでした。 東野:そのときのことってどのくらい覚えてるの? 記憶が飛んでいて気づいたら3日ぐらい経ってるとか、そういう感じじゃないの? 渡部:もう2年経つじゃないですか。忘れていないシーンはあるんですけど、細かい部分はもう忘れてるというか、葬ってるというか。 東野:たぶん脳がこれ以上はキャパオーバーやからって、シャットダウンさせるというか。 渡部:それはあると思います。だから、自粛して何カ月かのことは全く覚えてないです。
東野:じゃあ、俺が謹慎中にLINEで釜愚痴ホモ恵さんの写真ばっかり送ってたことも覚えてない?『月曜から夜ふかし』とかに出ているオネエの方の。 渡部:それは忘れもしませんよ(笑)。みんなが「がんばれよ」「戻ってこいよ」って励ましのメッセージを送ってくれる中で、釜愚痴さんの写真を送ってくれたのは1人だけです。 東野:でも、記者の人に直撃されて何がつらいって、その後、嫁に言うのがつらいでしょ。それはすぐに言った? 渡部:すぐだと思いますよ。まずは事務所に電話して、その後に妻に電話しました。 東野:で、その後で会見をした。 渡部:いや、会見はしなかったんですよ。これが大きな間違いだったんですけど。『週刊文春』でインタビューを受けたら、何となく収まってくれるかなと思ったんです。もう全部洗いざらいしゃべるから、っていうことで。そこで間違った判断があって、解決しなかったんですよね。そこから会見まで半年ぐらい空けちゃったんです。 東野:自分では早く会見をしたいと思ったりもしたけど、それぞれの人のアドバイスとか意見があったりして。 渡部:そうですね。僕の意見を言ってる場合じゃなかったんです。僕が「こうしたいです」なんて、口が裂けても言える状況じゃなかったです。これだけ迷惑かけてるんで。だから、事務所から「このタイミングで会見をやります」って言われて、はい、わかりました、っていう感じです。 東野:最初に記事が出て、すぐに活動休止ということになって、そこからテレビは見れるの?