「巨人と阪神の優勝はない」球界大御所が激辛予想した根拠とは?
順位予想をしない広岡氏は「本命チームのいない混戦だ」と言う。 「昨年の優勝チームのヤクルトにしても投手陣に問題が残る。延長12回になることの影響が出るだろう。幸いにして青木というお手本となるチームリーダーがいて、4番に村上がどっしりと座っているため得点力はあるのでチームの総合力でどこまで戦えるか。横浜DeNAは外国人頼みのチーム編成の弱点をまた露呈することになった。新型コロナの影響で合流が遅れた昨年に続き今度は故障でオースティン、ソトの2人が開幕に揃わなかった。外国人が主力であるうちは優勝できないのだから、逆に若手を育てチーム力を底上げするチャンスだと思えばいい。広島も阪神同様に“佐々岡よ。しっかりしろ!”と言いたい。鈴木誠也という4番が抜けた穴を全員でどう埋めるのか。先発と抑えはいるチーム。まとまれば力を発揮するポテンシャルを秘めたチームだけにベンチワーク次第だろう」 広岡氏が注目しているのは立浪新監督を迎えた中日だ。オープン戦は7勝8敗2分けで8位。チーム防御率は2.88をキープした。 「面白いのは中日だ。立浪は野球をわかっている。キャンプでは公私を含めて厳しさも植え付けた。12球団の監督を見渡して、そういう姿勢を示している監督は、立浪くらいしかいないのではないか。私はショートというポジションを守ってきた選手には、監督の素養があると考えていて、彼がどんな野球をするのか楽しみなのだ。セ・リーグをひっかき回す存在になると見ている。補強をしてもらえなかったために打線は弱いが、先発、抑えを含めて投手力は安定している。1点を取る野球なら立浪は得意だろう」 中日は開幕投手の大野、柳、小笠原の4本柱に加え、2年目のドラフト1位の高橋宏がオープン戦で結果を出してローテー切符を手にいれた。抑えのマルティネスも信頼できる。二塁にコンバートさせた高橋周が開幕絶望となり打線はさらに厳しいが、立浪監督は、岡林、石川という若手にチャンスを与えるプランで土台作りの1年となる。 「繰り返すが今季のセ・リーグは混戦だろう。キャスティングボードを握るのは巨人になるのかもしれないが、シーズンを通じてチームをまとめあげ、加えて成長させることのできる監督が優勝を手にすることができるだろう」 球界大御所は、セの展望をこうまとめた。 阪神ーヤクルト(京セラドーム大阪)が午後6時、巨人ー中日(東京ドーム)が午後6時15分、横浜DeNAー広島(横浜スタジアム)が午後6時30分にプレーボールとなる。 (文責・駒沢悟/スポーツライター)