異例の事態!井岡の相手マルティネスが調印式もドタキャン…それでも中止「ないと思う」
ボクシングのWBA世界スーパーフライ級王者フェルナンド・マルティネス(33=アルゼンチン)に同級6位・井岡一翔(35=志成)が挑戦する同タイトルマッチの調印式が23日、マルティネス陣営の「計量に備えてコンディションを整えたい」との意向により中止となった。 マルティネスは26日の公開練習も発熱を理由に中止にしたが、陣営のマネジャーは微熱であり、試合は中止にならないと強調していた。だが、この日に都内で予定されていた式の直前、同陣営から中止を申し入れる連絡が入り、井岡陣営も王者であることを尊重して要望を受け入れたという。 報道陣、JBC関係者らも集まり、両陣営が使用するグローブも用意されるなど準備が整っていた中でのハプニングに、志成ジムのプロモーター、芳野一貴氏も「突然のことなので…」と困惑。マルティネスは病院には行っておらず、「聞いていないが、彼らの判断として大したことはないということだと思う」と理由を説明。試合の中止については「私たちはないと思う」との見通しを語った。 JBCの安河内剛執行理事も「調印式がなくなったことはないと思う」と驚く異例の事態。だが、「公式行事の一つだが、必須ではなく試合に支障があるわけではない」という。「マルティネスの状態は把握していない」としながらも、「想定されるのは体重の問題。それがあって、コンディションを整えたいのでは、と我々は判断している」との考えを示した。 また、戦う相手に自身の情報を積極的に明かさないのは当然であるため、「すべてが推測になってしまう」と前置きした上で、「もしかしたら順調にコンディションを整えているかもしれない」とも話した。基本的には、計量時の検診で体温が37・5度なら中止とのルールがあるが、減量によって体温が上がることも多いため、「体温で中止になることはほとんどない」という。 公開練習と調印式はキャンセルできても、計量をキャンセルすれば試合は成立しない。井岡のリベンジをかけた大みそか決戦は幻となるのか?
洪経人