日本が誇るお茶の新世界!2人のデザイナーが立ち上げた『煎茶堂東京』が国内外で支持される理由
――急須を作ったので、お茶も扱うことに? 古川さん:お茶屋問屋と繋がりがあり、そこから話が進み、お茶農家さんもご紹介いただいています。お茶屋さんには火入れからパッキングまで一貫してご対応いただき、最終的に谷本が味を確認して仕入れが決まるという流れですね。『煎茶堂東京』では、日本全国から厳選した単一農園・単一品種の茶葉、いわゆる「シングルオリジン」を中心に取り扱っています。 ――シングルに特化しているお店は珍しいですね。 古川さん:そうですね。お茶は嗜好品の一部ですし、シングルのコーヒーはあるけれどお茶にはない、だったらシングルを集めてみようということになったんです。日本のお茶はブレンドされているものが多いのですが、それを知らない方が結構多くてびっくりされます。 ――確かに、お茶屋さんで「これはシングルですか?」とは聞かないですよね。 古川さん:逆に、今まで飲んでいたお茶ってシングルじゃなかったんだと驚かれます(笑)。
日本茶のイメージを覆すスタイリッシュな茶筒のデザインとカラーの秘密
――店頭には何種類くらいのお茶があるのでしょうか? 古川さん:今、弊社で扱っているシングルオリジンの煎茶は現在65品種、そこから約20品種ほどに絞って並べています。それを毎月2~3品種入れ変えているという感じですね。オリジナルの茶筒はイタリアのペンキ職人さんが使っている缶からヒントを得たデザインで、スタッキングができるよう上蓋がなく、かなり密閉度が高いつくりになっています。透明急須の上にジャストサイズで乗る省スペース設計で、日本の台所事情をおさえているところも特徴です。 ――急須も茶筒も、出しっぱなしにしていても映えますよね。 古川さん:それも考慮してデザインされています。茶筒のパッケージには、キャッチコピーや品種名、生産地、標高、焙煎温度などの情報が入っていて、その情報を数値化して独自の色に当て込み、巻紙の色を作っています。なので、色にもすべて意味があり、このカラーバリエーションが生まれています。 古川さん:茶葉も作物なので、年度によって出る味の変化に対応するため、火入れの温度を変えるなど調整をします。すると、巻紙の色も変わるんですね。似ている色もありますが、実は微妙に違うんですよ。また、通し番号が付いているので、数字にこだわる記念日や結婚式の引き出物にもお使いいただいています。