「要介護認定取りました」認知症の母、ダウン症の姉と暮らすにしおかすみこがカリスマ介護士に相談したいこと
ケアマネとの相性が悪かったら?
また高口さんは、ケアマネとの相性が大事だと語った。 「本人と家族の意向に沿ってサービス提供するのが、介護保険制度ですから、本人と家族の意向抜きには、ケアマネを始め、サービス提供者は動けない。 ケアマネは、サービスの種類、お値段、それから手続きの仕方、不安なことがあれば調整するのが仕事。だけど、ケアマネジメントするために、ご家族のにしおかさん自身が欲しい幸せは何か。上手に言わなくていいから一つ一つおっしゃって。ケアマネはやります、プロですから。 ただ、合わないケアマネに当たると、そういう話をあまり聞かないんですよ。はいはいみたいな感じで、ちょいちょいってツータンツータン(通所介護と短期入所生活介護)を入れて、にしおかさんお仕事したいんでしょ、わかりました、これいかがでしょうかみたいな」 では、いいケアマネに担当してもらうにはどうしたらいいだろうか。 「にしおかさんにとって良いケアマネさんと、他の人にとって良いケアマネさんとは、ちょっと違うわけですよ。ちゃんと話を聞いてもらいたいとか、いろいろ言わんでとにかく言われた通りにしてほしいか。 人生いろいろ、家族いろいろ、ケアマネもいろいろですからね。相性が良くないと思ったら、あなたと私はどうも相性が悪いから変えてくださいって、言える勇気はないわね。あからさまにチェンジできない、とご家族は言うんですよ。事業者側からすると、言ってくれた方がありがたいです。もっと言えば、私たちは仕事なんですよ。ご家族の方から合わないって言われたら、反省したり、何が悪かったのかなと振り返ったりはしますが」 にしおかさんは「仮にどんなに母が暴言を吐いても、ケアマネさん側からは変えないってことですよね」と心配した。 高口さんは、「暴言、大好きですよ」とにこやかに答えた。 「例えば、黙っている利用者さんのほうが、ある意味難しいです。体調が悪いのか、わからない。にしおかさんのお母さんのように、お前なんかに騙されてたまるかって愚痴が出ると、感情がわかるし、きっかけがつかめる。プロの腕の見せ所というか、張り切っちゃう。 私たちは仕事ですから、重度だから受けないとか、選ぶことは一切しません。ケアマネと合わなくて、言いづらい場合は、例えば居宅介護支援事業所とかケアマネージャーのお勤めの事業所の管理者や、上司に言えば大丈夫。利用者さんやご家族が我慢する必要はない。短期間に3人も4人も変えるとなると別の問題ですけれども、この人に出会えてよかったっていうケアマネさんに出会うまで、頑張っていただきたいと思います」 「わかりました。心に留めておきます」と受け止めたにしおかさん。 「介護」というテーマであるにも関わらず、終始なごやかで笑いに包まれるふたりのトークはまだまだ続いた。 後編「月に20万以上!認知症の母、ダウン症の姉と暮らすにしおかすみこがカリスマ介護士に相談した「施設に入れない」理由」では、施設を見に行ったにしおかさんが施設を利用しない理由や、介護保険の改正について踏み込む。
にしおか すみこ、高口 光子、なかの かおり