「要介護認定取りました」認知症の母、ダウン症の姉と暮らすにしおかすみこがカリスマ介護士に相談したいこと
「自分たちはどう暮らしたいか」が何より大切
高口さんは「いいとこですね」と、実情に合った認定ではないかという評価。それを聞いて、にしおかさんは続けた。 「判定が出たとき、4年経って要介護1って、母自身が凄く頑張ってる、踏ん張ってるなって思ったり。私が毎日しんどいときがあるから、えー? 1?! って思ったり(笑)。調査員の方の前で母が見栄を張ったので、もしかして要支援かなと予想していたので、要介護1か、やっぱりあのメモを添えて良かったとホッとしたり。いろんな気持ちが湧いてきて、感情がごちゃっとしました。あと、そのメモも必要で書いたんですけど、いつも母のまだできるところを見ていたい私としては、できないところばかりを書くのが、告げ口みたいな気がして、少ししんどかったです」 にしおかさんは、母の要介護認定を受け、介護サービスの利用を検討している。高口さんは、これからについて説明した。 「要支援だったら、地域包括の人が継続してみます。でも要介護度1なので、居宅介護支援事業所っていうところのケアマネさんが登場してきます。そして、介護保険サービスを使いこなそうとする方が多いんですよね。 ショートステイ、ヘルパーさん、いよいよグループホームっていうことになる。ご家族はサービスの種類を一生懸命調べたり、それを利用者さんに当てはめようとするんですけど」 なるほど、家族の立場では、どんな種類のサービスがあるか、お金はいくらかかるかとか、まさに使いこなしたいと、先走りがちだ。 「その前に大切なのは、自分がどういう暮らしをしたらいいかです。自分の幸せは何か。にしおかさんは、まず自分の体が健康であることですね。お仕事もちゃんとやりたい、家のことも、ある程度バランスをとってあまりイライラ、カリカリしたくない。 もう少し具体的に言うと、お姉さんにちゃんとご飯を食べてもらいたい。お母さんにお風呂に入ってもらいたい、夜ゆっくり休んでもらいたい、そういう生活を作りたいということを、ケアマネに言うのが大事です。そのためには何が必要かをケアマネが考えて、提示する。にしおかすみこさんが幸せでなければ、お母さんもお姉さんもお父さんも幸せじゃないんだから。 一緒に暮らす家族がいて、自分が歳を取ったり、体が不自由でその介護が負担で、体を壊すとか仕事を辞めるとか、私の人生こんなもんじゃなかったって娘から言われることが一番つらいはずです。自分が健康で笑顔であること、そして何よりも守りたいのはお姉さんとお母さんが一緒にいることで、その形を整えてほしいとケアマネに伝えればいいんです」(高口さん)