ネパールだけじゃない こんなにある世界の地震頻発地帯
4月末に起きたマグニチュード(以下M)7.8のネパール大地震(図中1)では、甚大な被害が出ています。これは地震多発国である日本にとって他人ごとではありません。世界には地震が多く起きる地域があります。 【写真】火山活動続く「箱根山」 富士山噴火との関連はあるの?
地震が発生するのはどんな場所?
メイン図に1900年以降に起きたM5以上の世界の浅い震源の分布を示しています。震源が帯状に連なっていますが、これが地震帯です。その地震帯で囲まれた領域が一つのプレートになっています。 地球の表面はこのようなプレート(卵でいえば殻のようなもの)10数枚で覆われています。これらのプレートがそれぞれ違った方向にゆっくり動いているため、隣り合うプレート同士でぶつかったり、こすれたりしますが、そのときに地震が起きます。
日本周辺で起きた地震
まず、日本付近ですが、2011年3月11日の東日本大震災(図中2=M9.0、死者・行方不明者数1万8958人)を起こした大平洋プレート(海のプレート) が、関東地方から東北、北海道の下に東側から滑り込んでいます。東日本の陸のプレート(北米プレート) と滑り込んだ大平洋プレートが接触している面がプレートの境界面で、地震が多く起きています。2003年十勝沖地震(図中3=M8.0、1人)もその一つです。東北地方と北海道は、日本海側からもその下に別のプレートが滑り込もうとしています。日本海東縁に沿って新しいプレート境界面が出来つつあります。1983年日本海中部地震(図中4=M7.7、108人)や1993年北海道南西沖地震(図中5=M7.8、202人)などがこの境界面付近で起きたとされています。関東地方は南側からフィリピン海プレートが滑り込んでいます。この境界面で起きた大地震が10万人以上の犠牲者を出した1923年関東大震災(図中6=M7.9、10万5000余人)です。 西南日本の下(ユーラシアプレート) には南からフィリピン海プレートが滑り込んでいます。静岡県の駿河湾から愛知県、三重県、和歌山県、高知県の下とその沖合にかけて境界面があり、そこでは21世紀の半ばまでに巨大地震が起きると予想されています(南海トラフの巨大地震)。このほか、陸のプレートの中でも規模は少し小さくなりますが、地震が起きます。1995年兵庫県南部地震(図中7=M7.3、6437人)などがその例です。都市のすぐ下で浅い所に震源断層があると大きな被害を引き起こします。