「レフトゴロ」でサヨナラ阻止 慶応・福井直睦が好返球 センバツ
第95回記念選抜高校野球大会は第4日の21日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で2回戦があり、延長十回タイブレークの末、慶応(神奈川)は仙台育英(宮城)に1―2でサヨナラ負けした。サヨナラ負けの直前、1死満塁のピンチで、慶応の福井直睦左翼手(3年)が「レフトゴロ」と記録される珍しいプレーで、サヨナラの危機を防いだ。 【写真まとめ】甲子園で息子の活躍を喜ぶ清原和博さん 今大会初の延長タイブレークに突入した十回、仙台育英の攻撃で1死満塁から9番・熊谷禅選手(2年)の打球は前進守備の福井選手の前で弾んだ。「スライディングキャッチでは後ろにそれてしまいそう。ライナー性の打球で、ランナーの位置も確認していたし、ホームに向かってぶん投げてやろう」と福井選手。ワンバウンドで捕球し、素早くホームに「ストライク返球」し、打球がグラウンドに落ちたことを確認してからスタートを切った走者を本塁でアウトにした。 記録は「レフトゴロ」。このファインプレーに球場は異様な盛り上がりを見せた。だが、次打者の打球は福井選手の右側で弾み、今度こそ三塁走者が生還。2度目の危機は防げず、ファインプレーを勝利に結びつけることができなかった。福井選手は「タイブレークで1点も取らせない練習をしてきたので、それが生きたプレーだった。でも、めっちゃ悔しいです」と振り返った。【大東祐紀】