「イタリアの伝説的コンパクトカーが復活」文句なしの個性派デザイン!EVになった“フィアット600e(セイチェント)”を自動車のプロが試乗レポート
ご存知、可愛い系コンパクトカーでダントツ人気を誇ったフィアット500(チンクエチェント)。残念ながら長きにわたる生産は終了し、電気自動車である500eに切り替わっていて、この度、兄貴分としてフィアット600e(セイチェント)がさらに登場した。チンクエチェント同様に、1950年代に登場したモデルの復活で、イメージもうまく継承されているのはチンクエチェント同様だ。役割的には以前ラインアップされていた500Xの後継車となるため、SUVテイストも兼ね備える。ただの可愛い系ではないのだ。 ⇒【写真】ただの可愛い系ではない…SUVテイストも兼ね備える“フィアット600e”の試乗レポート、詳しい画像を見る(全14枚)
欧州コンパクトの魅力を堪能!小さくても運転がしっかりと楽しめる
2000年以降、フィアットはとにかく操作系が軽いのが特徴だが、600eも例外ではなく、ステアリングはクルクルと回るし、アクセルを踏めばスルスルと加速していく。このあたりは以前であれば「味がない」という評価もされたのだが、電気自動車となれば逆にウリになる部分だろう。チンクエチェントや500e同様に女性からかなり好まれそうなモデルなのでなおさらだ。 運転した感想は、足まわりはしっかりとボディを支えてくれ、コーナーなどでは不安はない。やっぱり小さくてもしっかりとしていて楽しい欧州車。絶妙な落としどころは、クルマ好きも満足できる塩梅のよさだ。ただドライブモードはスポーツとエコも選べるが、変化はそれほどないので悪しからず。 シャーシはジープと共通で、搭載されるリチウムイオンバッテリーの容量は54kWh。車格に対して過不足なしのスペックと言ったところ。モーター出力も十分な数値だ。気になる一充電走行距離はWLTCモードで493kmとなっている。
超個性的なデザインは街中でも注目の的に!
戦後イタリアで大衆車の普及を目指して開発され、1955年に登場したのがフィアット600、セイチェントだ。弟分のフィアット500がミニマムなサイズと走りなのに対して、こちらは大人4人がゆったり乗れて、楽に移動することができた。ちなみに最初のフィアット500が登場したのはフィアット600より後となる。 ここのところ、フィアットのコンパクトカーというとチンクエチェントばかりを目にしていたことも関係しているのか、サイズ感としてはかなり大きく感じる。SUVテイストも持ち合わせるのでなおさらだ。ただ、それはあくまでも印象で、スペックを見ると全幅は1,700mmを超えるもののほぼ5ナンバーサイズで、日本車ではヤリスクロスと同等。扱いやすいちょうどいいサイズである。 なんと言っても魅力はフロントマスク。オリジナルのフィアット600だけでなく、先行の500eからもモチーフを得ている。印象として巨大な500eと言ってよく、どこかガチャピンテイストもあって、文句なしに超個性的。ひとによっては可愛いとは思わないと言うが、ほかのどこにもないフロントのデザイン。撮影中はやたらと注目された。 実用車&コンパクトカーとはいえ、各部をしっかりとデザインするのはフィアットの伝統。600eも例外ではなく、ホイールはEV感をうまく表現した未来感あふれるデザインだ。
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