大関友久・川村友斗らに続け! ソフトバンク育成8位指名の仙台大・相原雄太、2度の手術乗り越え「まずは支配下を目指す」
指導者とチームメートに恵まれ、成長を後押し
手術をした5月から約2カ月間はノースロー調整を続けた。「名前が呼ばれることを信じて今できることをやって、年明けに完璧な状態に仕上げよう」。チームがリーグ戦で2季連続優勝を果たすなど躍動する中、必死にモチベーションを保った。そしてマウンドに戻れないまま迎えたドラフト当日、指名を勝ち取った。 「(手術をすると)また投げられなくなるので焦る気持ちでいっぱいでしたが、監督からもらった言葉が自分にとって大きかったです。この秋も投げたかったけど、自分の将来を考えると無理はさせられないと、監督が決断してくれたのが今につながっている。恵まれた環境でやらせてもらえたと思います」 仙台大では指導者だけでなくチームメートにも恵まれた。中でも自身の成長の糧になったのが先輩投手陣からのアドバイスだ。 2学年上の長久保滉成(現・NTT東日本)にはチェンジアップの握りやリリースの感覚を教わり、それをフォークに応用した。1学年上のジャクソン海(現・日本通運)にはフォークの投げ方、川和田悠太(現・三菱重工East)には直球のキレの出し方などを教わった。相原は「先輩、後輩関係なく手本になる投手が多く、見るだけで勉強になりました」と振り返る。
目標は父が好きだったソフトバンク3軍監督
現在は「80~90%」の状態まで回復した。来年1~2月に照準を合わせて投球の感覚を取り戻しつつ、打者を立たせた投球練習にも取り組む予定だという。 目標とする投手は父が好きだった斉藤和巳だ。斉藤は来季、ソフトバンクの3軍監督を務める。「球種も似ているしストレートで押す強気の投球は理想。けがを乗り越える強い精神力や、マウンドでの立ち振る舞いもかっこいい。そういう選手になりたいので、技術はもちろん苦しい時期の乗り越え方やメンタルの持ち方を学びたいです」。プロの世界でも新たな出会いが待っている。 「思うように投げられない時期が長く、悔しさが残る4年間でしたが、高校時代の実力を考えるとそもそも1軍で投げることさえ想像できなかった。自分でもびっくりしています」と話す相原は、仙台大の後輩たちにバトンを託す。「先輩方の功績があったからこそ自分の指名があった。後輩たちもNPBのスカウトさんに見てもらえるよう、『仙台大いいね』と思わせるような活躍をしたいです」
川浪康太郎