ついにコンシーラーまで!? ベースメイクで“明るい色”が売れる理由
「90年代後半~2000年代前半はコギャル文化の隆盛期で“小麦肌”が支持された時代でした。00年代半ばになると、フェミニンなスタイルが注目され始めます。この頃から徐々に“明るいファンデ”の使用者が増えていきました」(辻リサーチ担当)。
「小麦肌」は安室奈美恵、「フェミニンスタイル」は蛯原友里がけん引したブームであり、10年代以降になるとフェミニンの流れを継承しつつ「日本的KAWAII文化」が登場する。AKB48が象徴するような、「黒髪+明るい肌」が注目されたのがこの時代だ。15年以降になると並行してK-POP人気が徐々に高まり「黒髪+明るい肌+赤リップ」が定着していく。
「10年代半ば以降は、ファッションも多様化していった時代です。そんな中でも韓国ブームは継続し、現在に至るまで衰えていません。コロナ禍にサブスクやSNSで韓国カルチャーに触れる機会が増えたことも“明るい肌”が支持される要因ではないかと感じています」(辻リサーチ担当)。コロナ禍にファンデの使用率が減り、「トーンアップ下地」や「コンシーラー」で肌を明るく整えるという、新たなベースメイク習慣が登場したことも、明るい肌人気を後押しした一因といえそうだ。
22年以降は数字に現れ、24年秋も人気は継続
明るい肌人気を支えるのは「テクノロジーの進化」
明るい色の人気が、実際に「SNSにおける反響」や「販売数」として表れ始めたのは22年頃である。それまでファンデの売り上げ構成比は、いわゆる“標準色”が大半を占めており、「カネボウ(KANEBO)」ブランドにおいては、全体の約半分を占めていた。「それより明るい色を“全部合わせた合計”が3割程度です。ところが、22年に発売した“ライブリースキン ウェア”においては、明るい色の構成比が48%へと大きく伸長しました。この流れを受けて、24年秋にはピンク系の明るいカラーが追加になる予定です」(辻リサーチ担当)。