シークレットサービスが調査、トランプ氏暗殺未遂巡るマスク氏投稿
(ブルームバーグ): トランプ前米大統領に対する2度目の暗殺未遂事件が起きた直後、資産家イーロン・マスク氏は自身のソーシャルメディア「X(旧ツイッター)」に、「なぜ彼らはドナルド・トランプを殺したいのだろうか」と1億9800万人のフォロワーに問いかけるコメントを投稿した。
同氏はそのリプライとして「そして誰もこれまでにバイデン/ハリスを暗殺しようとしていない」とコメントし、考えている顔の絵文字「????」で締めくくった。この投稿が広く反発を招いた後、マスク氏はジョークのつもりだったと述べて、投稿を削除した。しかしすでに数千万人の目に触れた後であり、その中にはシークレットサービス(大統領警護隊)もいた。
シークレットサービスは、ある人物が保護対象の要人に差し迫った脅威を与え得るかどうかを判断するために調査を行う。米大統領もしくは副大統領に脅威を及ぼす行為は重罪に相当し、多額の罰金もしくは最長5年の禁錮刑が科される可能性がある。
ブルームバーグは米情報公開法(FOIA)に基づき、シークレットサービスの担当部門やその他当局にマスク氏の投稿に関する文書や電子メールを要求した。
18日に届いたこの要求への回答は、マスク氏の投稿に関する記録は「法務執行の目的でまとめられており」、「執行手続きに支障をきたすことが合理的に予想されるため」、開示は差し控えるとのことだった。
さらにシークレットサービスのFOIA部門に問い合わせたところ、「執行手続き」を理由にいかなる記録も開示できないと、保護情報の担当部門から指示されたとの説明だった。
シークレットサービスのヘリング報道官は「シークレットサービスはイーロン・マスク氏によるソーシャルメディアへの投稿を認識している。実際問題として、保護情報に関わる事柄についてはコメントしない。ただしシークレットサービスは保護対象者に関連するあらゆる脅威を調査していることは断言できる」と述べた。