「返り咲きの可能性高まった」金融市場で再び動き出した“トランプ・トレード” アメリカ大統領選終盤へ【Bizスクエア】
さらに勝敗の行方を左右する激戦州を見ると、7つの激戦州すべてで、トランプ氏が優勢。 7州の平均でも優勢。元々は3ベルトといわれる4州(ネバダ・アリゾナ・ジョージア・ノースカロライナ)を全部落としても、ブルーウォールと言われる上の3州(ウィスコンシン・ミシガン・ペンシルベニア)を取れば、ハリス氏は勝てる計算だったが、この3州もすべてトランプ氏が優勢になっている。 ――こうした中で長期金利が上昇してるというグラフが出てきて、4%台にまた戻っている。これは「アメリカの景気が堅調」ということに、このトランプ優勢が伝えられているからか。 りそなアセットマネジメント チーフ・ストラテジスト 黒瀬浩一氏: トランプの政策は景気をGDP比で1%ぐらい押し上げることになると思います。そうすると景気がいいし、物価も上がる可能性があるということからこういう動きになっている。 ドル円もドル高が進んでいて、一時153円台までいった、10月26日現在も152円台。7月に日銀が追加利上げしたときの水準になっている。 トランプ大統領が誕生したら、何が起きるのか。政策を整理してみる。 ――大きいのは減税か。 りそなアセットマネジメント チーフ・ストラテジスト 黒瀬浩一氏: 経済を持ち上げるという意味では一番大きいと思う。いろいろあるが、議会との組み合わせで、どこまで実現できるかはまだ確定はできない。やはりトランプ大統領がここまで優勢になってきたら“ある程度”は実現するだろう。その“ある程度”がGDP比1%ぐらい財政で景気を押し上げるという期待感が高まっている。 ――規制緩和にも期待が高い? りそなアセットマネジメント チーフ・ストラテジスト 黒瀬浩一氏: 財界は、むしろこちらの期待が高い。テスラのイーロン・マスクが委員長になって、政府機関(政府効率化委員会)というのを作った。規制緩和のトップで陣頭指揮をする。イーロン・マスクはいろんなビジネスをやっている。掘削会社が高速の地下鉄道を作る。EV専用のトンネルを作る、あるいは衛星通信などたくさんやっている。そこのトップに規制緩和を強力に進めることから、財界としては大変期待が高まっている。