「返り咲きの可能性高まった」金融市場で再び動き出した“トランプ・トレード” アメリカ大統領選終盤へ【Bizスクエア】
りそなアセットマネジメント チーフ・ストラテジスト 黒瀬浩一氏: そうですね、はい。 ――こういう政策の中で、インフレ加速させるような感じになるわけだが、とりわけ注目されてるセクターとしてはどのようなものがあるのか。 りそなアセットマネジメント チーフ・ストラテジスト 黒瀬浩一氏: まずインフレよりも先に今、少し政策金利が高すぎて、景気の減速を和らげるという意味で景気を押し上げる方が期待感は高い。さらにセクターでいうと、エネルギーコストを下げることから「エネルギーセクター」。それから「ロシア・ウクライナ戦争はすぐやめさせる」ということで「ウクライナの復興需要」。建機などはもう株価が上がっている。それから「規制緩和で金融」「防衛力強化で防衛」。さらに食品はハリス氏が「生活コストを下げるために食品価格の値上げを認めない」という政策を打ち出していたが、それをやめさせる。 ――一方で再生可能エネルギーは下落。住宅も下落。 りそなアセットマネジメント チーフ・ストラテジスト 黒瀬浩一氏: パリ協定からもう1回再離脱する可能性が高いと思う。かつ住宅は、ハリス氏は初めて買う人に「頭金2万5000ドル補助金を出す」と言っていたが、これは無理ということで少し期待感が逸れている。 ■「トランプ・トレード」再び… 世界経済への影響は? ――「トランプ・トレード」というと、2016年にトランプ大統領当選したときに「トランプラリー」というのが起きた。当選のときから、ものすごい勢いで株価が上がった。だから「夢をもう一度」と、今回も同じように株価が上がると期待する人も世の中にはいる。ただ、セクターごとによって色合いもだいぶ違いそうだが、今回はどういうところが共通してどういうところが違うのか。 りそなアセットマネジメント チーフ・ストラテジスト 黒瀬浩一氏: 共通点という意味では、前回はサプライズが大きかったので株価が大きく反応したが、私の感覚では30%ぐらいは既に織り込んでいると思う。