国連人権専門家「北朝鮮、強制送還された女性2人を処刑した疑惑」
国連人権専門家が、中国から強制送還された脱北女性2人が処刑されたという情報を入手したとし、これに対する釈明を求める書簡を北朝鮮側に送ったと、米ラジオ・フリー・アジア(RFA)が7日報じた。 国連のエリサベス・サルモン国連北朝鮮人権状況特別報告者など国連人権専門家7人は、北朝鮮当局が強制送還された脱北女性2人を死刑に、9人を終身刑に処したという情報に対して釈明を求める書簡を昨年11月発送した。 書簡によると、北朝鮮当局は昨年8月、咸鏡北道清津市(ハムギョンプクト・チョンジンシ)で公開裁判を開き、中国内の脱北者を韓国に売買し、成人娯楽施設の運営および売春などの疑いで、A氏(43歳)とB氏(39歳)に死刑を言い渡した。 2人の女性は、中国が2023年10月に強制送還した脱北者の一部であり、死刑宣告当日に処刑されたという。残りの9人の脱北女性は、中国で人身売買にかかわった疑いで終身刑を言い渡され、行方不明の状態だと伝えた。 国連人権専門家は書簡で「彼らの北朝鮮への送還は強制送還禁止の原則に対する違反」とし「公正な裁判と適法な手続きを保障されず過度な処罰を受けた」と指摘した。 この女性らの容疑が死刑を言い渡されるほどの基準を満たしていないにもかかわらず、控訴の可能性なしに直ちに処刑されたという理由からだ。 中国は2023年10月、杭州アジア大会閉幕直後に拘禁していた脱北者数百人を強制送還したことがある。