凄惨な内戦が止まらないスーダンでは16歳の拷問官が市民を鞭打ち、妊婦が鎖に繋がれレイプされる
これまでにない危機
2023年4月、国軍(SAF)と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」による内戦がスーダンで始まり、この2年足らずで約15万人が死亡し、約1100万人が家を追われ、人口の半数にあたる約2600万人が飢餓危機に陥った。英紙「タイムズ」によれば、同国ではいまや「コレラ、レイプ、民族浄化、拷問が日常」となっているという。 【解説】内戦中のスーダンで、凄まじい数の女性がレイプされている 「1984年に起きたアフリカの食糧危機以来でこれほどひどい状況はなかったし、1994年のルワンダの大量虐殺以来、アフリカ大陸でこれほどの残虐行為が起きたこともなかった」とタイムズは報じる。だが、かつてない危機的状況にも関わらず、国際社会が手を差し出す様子はない。 2024年9月には「スーダンで急速に進む危機に対処するため、世界の最も裕福な国々が国連に集まった。参加国は人道支援基金に27億ドルを拠出するよう求められたが、実際に集まった額は半分のみ」だった。
「赤十字はどこだ?」
「タイムズ」は「スーダンの忘れられた戦争の内幕」と題した別の記事で、国内の様子を報じている。罪のない市民が銃弾や砲撃、略奪、レイプ、拷問や病気に晒され、砂漠で栄養失調により亡くなっているという。そうした人たちは「記録に残されておらず、彼らの運命は明らかではない」。 傷ついた人たちを救うのに必要な物資は当然ながら足りていない。スーダンでは医療施設の60~70%、また国内の医薬品生産工場のほとんどが、内戦によって破壊された。そんななか、気の遠くなる数の怪我人や病人を救おうと奮闘する医師は、怒りを禁じ得ない様子だ。 1日500~600人の患者を受け入れているアル・ナウ病院の院長は「WHO、赤十字はどこにいるのか?」とタイムズに語っている。「ここで彼らを見たこともない。国境なき医師団(MSF)を除いて、他から見捨てられたように感じる」
COURRiER Japon