マウスの体内にラットの心臓 「キメラ動物」作製成功 「ヒトと動物間での心臓作製の可能性示すもの」 奈良先端科学技術大
奈良先端科学技術大学院大学は、マウスの体内でラットの心臓を持つ「キメラ動物」の作製に成功したと発表しました。 奈良先端大によりますと、動物の卵が受精後数日で形成する胚(胚盤胞)を用いた「胚盤胞補完法」と呼ばれる技術を使うことで、遺伝的に自前の心臓を持てないマウスの体内で、ラットの多能性幹細胞(胎盤以外の生体のどの組織にもなる能力を持つ細胞)由来の心臓を作り出したということです。 今回の研究では、心臓の発生に重要な遺伝子を欠損させ、心臓を作ることができなくなったマウスの初期胚に、ラットの多能性幹細胞を注入し、マウスの子宮に移植して胎内で発生させました。マウスの体内に、ラットの多能性幹細胞に由来する細胞が心臓の大部分を構成するキメラ動物を作り出すことに成功しました。 作り出された心臓は発生の途中で機能を失うことが明らかになり、機能的な心臓の作製にはさらなる研究が必要とのことです。 奈良先端大は「将来的に、ヒトと動物間での胚盤胞補完法による心臓作製の可能性を示すものであり、再生臓器の移植医療の発展に貢献するものと期待されます」としています。
ABCテレビ