夫、義母、愛犬を6年間で見送った67歳イラストレーター。もし、私が夫より先においとましていたら…三者三様の最後を振り返って思うこと
内閣府が公表した「令和6年版高齢社会白書」によると、65歳以上の一人暮らし世帯数は年々増加傾向にあるようです。そのようななか、イラストレーターの本田葉子さんは、67歳から一人暮らしをスタート。「今までしたことのない生活の始まり。ワクワクの気持ちが一番勝っていた」と語っています。今回は、本田さんの著書『ワクワクする!67歳からのはじめての一人暮らし』から一部引用、再編集してお届けします。 【書影】一人になった。さみしい。心細い。でもいちばんは、楽しみだ!本田葉子『ワクワクする!67歳からのはじめての一人暮らし』 * * * * * * * ◆夫、義母、愛犬、6年で見送ったそれぞれの最後 2017年の夏から6年の間に、夫と義母と愛犬を見送った。16年間もいっしょにいた犬っころはもはや我が子、まとめて3人ということでどうかひとつ。 誰よりも長い年月、41年間もいっしょに暮らしたのは義母。逝ったその日まで在宅介護をした。 起き上がれないほど弱ったのはほんの半年ほどで最後まで頭ハッキリ耳バッチリの人だった。 身の回りのことはほとんど自分でできたけれど、もう起き上がれなくなってからは、いろいろ手を貸さないと日常生活が難しくなっていった。 できるだけがんばろう! と思っていたものの本物の介護が現実になると、想像以上の大変さ! シーツ替え、着替えを始め、点滴のチェンジやタンを取ることなどやることいっぱい。下もね。
◆ガマン大敵、ホンネ優先 ある日ついに爆発って感じでケアマネージャーさんに「わたしラクがしたいです」とリアル本音を訴えた。 ケアマネさんは「しましょう、ラクしましょうよ!」と賛同してくれ、介護のプランの見直しや立て直しをしてくださった。 それからは訪問看護師やヘルパーさんの人数と回数を増やし、ベッドも最新のものに交換。私も義母も楽なようにと考えてもらった。自分では思いつかないような介護グッズもたくさん教えていただく。 刻み食からドロドロ食に移行する際も、「全部手作りじゃなくてもいいんですよ」と離乳食にそっくりな介護食を教えてもらう。 「ガマン大敵ホンネ優先!」で良かったんだとしみじみ思う。共倒れにならずに済んだもの。 愛犬スーは16歳になった春に逝った。数か月病院通いしたけれど、最期はす~っと息を引き取った。スーだけに……なんてね。
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