【木村カエラ】44歳、私が選んだ今とこれから。「子育てと音楽活動の両立はやっぱり大変」30代で 生まれて初めての“スランプ”を経験
25歳で結婚、二児の母になりました
武道館公演の3年後、25歳の時に結婚をしました。周りからは「若い!」「早い!」と驚かれたりもしたけれど、私はそう思わなかったし、躊躇することもなかったかな。だって、「あ、この人だ」と思う人が目の前に現れてしまったから。結婚は自分で決めるものじゃなく“いつ出会うか”で決まるもの。私の場合は、それがたまたま25歳だったんです。 そして、まもなくふたりの子どもを出産。「いつか自分の家族を持つ」のもまた私の大きな夢だったから、子どもたちとめぐりあえたのは本当に幸せな出来事でした。
怒涛の20代を経て迎えた30代、 生まれて初めての“スランプ”を経験
ただ、子育てと音楽活動の両立はやっぱり大変で。母として120%の愛情と時間を子どもに注ぐと、アーティストとしての自分と向き合う時間が削られてしまう……。気がつけば、思うように音楽を紡げなくなってしまった自分がいました。それを一言で表現すると“スランプ”。アイデアもわかないし、何を書きたいのかもわからない、まるで自分が空っぽになってしまったような。それは人生で初めての経験でした。「音楽をやめたい」と思ったのもその時が初めて。歌うことだけを考え生きてきて、歌が一番の宝物だったからこそ、「こんな中途半端な状況で挑むのは失礼。だったら、やめたほうがいいんじゃないか」と思ったんです。「大好き、だからこそ、つらい」そんな状況がずいぶん長く続いた気がします。 そんなスランプから抜け出せたのは、絵本『ねむとココロ』を描いたのが最初のきっかけだったかな。とにかく何も考えずに直感に従って描いてみようと、自分の心を動かし、感じるまま、真っ白な画用紙に色をのせていったんです。それが、すごくいいリハビリになったというか。また、コロナ禍に意図せず音楽から離れることになったのも大きかったのだと思います。デビューしてから、こんなにも歌わない時間を経験したのは初めのことで。結果、歌いたい気持ちが大きくなりました。「ああ、私ってやっぱり歌が、音楽が、大好きなんだ!」って、自分の思いを再確認しました。毎日のようにギターを触って歌っていたら、自分の中にアイデアが溢れ出てくる感覚が戻ってきて。あの時は本当に叫び出しそうになるくらい嬉しかったな。
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