ジープ初!コンパクトな100%電気自動車、アベンジャーがお披露目
ステランティス ジャパンはジープブランドとして初の電気自動車(BEV)となる新型車「Avenger(アベンジャー)」を発売した。全長4105×全幅1775×全高1595mmというサイズは、ジープのラインナップのなかで最も小さかったレネゲードのサイズを下回る、もっともコンパクトなサイズのSUVとなる。 【画像】ジープ・ブランド初の電気自動車、アベンジャーの外観やインテリア(写真11点) アベンジャーは2022年10月のパリモーターショーで発表されたが、サイズが小さいためか、アメリカンブランドにも関わらず北米では販売されていない。主に欧州の都市部がターゲットとなっており、ポーランドのティヒ工場(かつてフィアットの工場だった)で生産されている。 コンパクトサイズといっても、フロントマスクにはジープ伝統の「7スロットグリル」が鎮座し、ジープの起源であるウィリスを意識したボディラインやホイールアーチなど、デザイン面での迫力は十分。オフロード性能はノーマル、エコ、スポーツ、スノー、マッド、サンドの6つの走行モードを備えるセレクテレインシステムが担う。 悪路走破性はデザイン面でも際立っており、前後とも短いオーバーハングや17インチの大径タイヤ、200mmの最低地上高など、オフロード走行を意識した仕様となっている。アプローチアングルやブレークオーバーアングルは20度、デパーチャーアングルは32度と、本格的なクロスカントリーに挑戦できるスペックだ。もっとも、本質的には都市部の路面段差や駐車場のスロープでの優位性を意識したモデルといえる。 運転支援機能はアダプティブクルーズコントロール(STOP & GO機能付)やレーンポジショニングアシスト、衝突被害軽減ブレーキなど最新装備が揃っている。リアバンパー付近に足を入れると、センサーが感知してトランクゲートが開くハンズフリーパワーリフトゲートや、急な下り坂でも一定速度で走行できるヒルディセントコントロールも標準装備している。 パワートレインは54kWhのバッテリーを装備し、一充電走行距離は486km(WLTCモード)。最高出力は156ps(115kW)/4070~7500rpm、最大トルクは270Nm(27.5kgm)/500~4060rpmを発生する。オフロード走行に備え、アンダーボディには下からの衝撃からバッテリーを保護するスキッドプレートが装着されている。 内装のデザインは機能性が重視されており、ダッシュボードの下部やセンターコンソール、ドアポケットなどに約26L分の収納スペースを確保。リアのラゲージルームは355Lと大容量で、開口部の形状も扱いやすいスクエアな形状となっている。 ステランティス ジャパン代表取締役社長の打越 晋氏によると、近年の日本市場では輸入車のBEVの人気が高まっているという。2023年の軽自動車を除いた登録車のBEV販売台数は、国産車(2万1135台)を輸入車(2万2804台)が上回っているということだ。 とはいえ、ジープとしてはBEVに軸足を移すということではない。「エンジン車、ハイブリッド車、電気自動車といった幅広いラインナップで魅力的なクルマを提供し、お客様に選択の喜びを提供したい」(打越社長)という方針が語られた。 アベンジャーはサン、グラナイト、ボルケーノ、スノーと4種類のボディカラーを設定。価格は580万円で、グリーンエネルギー自動車導入促進補助金は65万円となる。合わせて登場した150台限定の「ローンチエディション」は595万円で、パワーサンルーフや18インチアルミホイール、ブラックペイントルーフとイエローダッシュボードの特別装備に1/43サイズのダイキャストと、33万円相当の装備がつく(外装色はサンのみ)。 またアベンジャーの成約者には、先着500人に全国の充電スポットで使用できる「ジープチャージングカード」がプレゼントされる。カード発行手数料のほか、普通・急速充電が使える月額会員料金および月180分相当の充電料金が6カ月間無償となる。 文:渡瀬基樹 写真:ステランティス ジャパン Words: Motoki WATASE Photography: Stellantis Japan
Octane Japan 編集部