石破氏・菅氏・岸田氏が共同会見(全文2)責任を果たしたことにならない
ポストは国家、国民のためにあるもの
石破:日本国憲法が予定している衆議院の解散というのは、内閣不信任案が可決されたとか信任案が否決されたとか、あるいは重要法案が否決をされたとか予算が否決をされたとか、衆議院の意思と内閣の意思が異なったときに主権者たる国民の意思を聴こう、これが趣旨です。私はそういうものだと思っている。かって保利茂議長がそのような趣旨のことをおっしゃった。そういう場合に解散はある。あるいは宮沢喜一先生は、伝家の宝刀であるが故に抜いてはいけない。自民党のためにそれを抜いたときは、そのときは良く見えても、それは自民党に決定的な打撃を与えるだろうと、そのようにおっしゃっておられます。そういうものだと思います。 そして衆議院議員465人、参議院議員245人、この国には710人の国会議員がいますがね。衆議院解散っていうのは、この国から衆議院議員がいなくなるということですよ。参議院議員しかこの国にいなくなる。もちろん参議院も大変な役割を果たし、見識のある方々で議論するが、衆議院がなくなるということが本当にどういうことなのか。われわれは4年の任期を国民からいただいている。そして政治は行政府だけでやるものではない。立法府の知恵を借りてやるものだ。そして4年、任期を務め、国民の判断を仰ぐ。総裁の、総理の専権事項ですから、統治行為論を最高裁判所が示している以上、それはあらがうことはできないが、そうあるべきものだ、私はそのように思っております。そういう状況に今あるコロナ禍にあって、私はそうだとはまったく思っておりません。 ポストは国家、国民のためにあるものです。政治家のためにあるものではない。そういうことです。従って自分がなったらどうのこうのというお話ではない。時の人事権者である内閣総理大臣は、この人でなければこの分野は駄目だと、そういう判断をされるのだろうと思っています。それは一にかかって、ポストは国家、国民のためのものであって、政治家のためのものではない。当たり前のことでございます。そのために有益な人物たるべく、常にわれわれは努力をし、研さんをし、それぞれの分野でそのような能力を高めていく。 野党のときそうだった。私は政調会長だった。民主党の大臣と対峙する自民党の部会長。それは当選期数関係なし。年齢関係なし。派閥関係なし。そして真剣に国会に臨んだからこそわが党の今がある。私は人事というのはそういうものだと、そのように考えております。