リバウンド懸念…解除後は「ゼロにはできない」「制御していくことが大事」
●300人前後でしっかり制御していく
緊急事態宣言の全面解除は決まったが、東京をはじめとする首都圏では下げ止まり状態から感染者が再び微増するトレンドに転じている。リバウンドや第4波への懸念もくすぶる。こうした中での解除判断とあって、18日の諮問委員会では「何人かの委員から指摘を受けた」と西村担当相は首相会見後の会見で明かした。 西村氏は政府が解除判断に至った理由として、病床使用率などの指標が埼玉県や千葉県でも30%台となり、安定的にステージ3まで下がってきたことなどを挙げるとともに、PCR検査の能力などが向上するなど「制御力」「対応力」が上がっていることを強調した。 「東京で言えば、今(1日の新規感染者数が)300人前後の感染レベル。これでしっかり制御していくことが大事だ」 その上で「なかなかゼロにはできない。感染は何度も何度も起こる。それを大きな流行にすることなく、小さな波で検知をして、そこで抑えていく。制御していく」と強調した。 昨年春の1回目の緊急事態宣言を解除するときは、10万人あたりの新規感染者数(1週間平均)を「0.5人ないし1人」としていたが、今回、解除の目安としたステージ4から3への指標は「25人」と「当時と比べて高い数字」(西村氏)だ。 西村氏はPCR検査能力について、昨春時点では全国で1日5000件程度だったのに対し、現在は能力的には17万件程度あり、実際には1日5万、6万件程度、多い時では8万、9万件程度検査していると説明。民間の検査機関も増えており、検査能力は大幅に拡大しているとした。 「検査能力、検査の体制を組み合わせながら検査を広げていく。病床もさらにしっかり確保することで、急激に感染が増えてもそれを制御していける、対応できる能力を上げていく」 「できることなら感染源を突き止め、さらに対策を進化させることで感染を減らしていきたいが、まずはこのレベルでしっかりと感染を抑えつつ、国民の命を守る、重症化する人を減らしていくことに全力を挙げていきたい」 記者からは「対応能力はどの程度まで耐えられるか」「小さな波はどれくらいの人数か」との質問が出たが、西村氏は「基準については、状況に応じて変わっていくもの。昨年と比べても変わっている」と述べた。具体的には▽ワクチンの接種がどう進んでいくか▽変異株がどんなスピードで広がっていくか▽変異株の日本での感染力・重症化の度合い(特に子どもへの広がり方)、などが変数として考えられるとした。