なぜ阪神ドラ2左腕の伊藤将司は球団として37年ぶりの新人開幕3連勝を飾れたのか…”先人”池田親興氏が分析する理由
伊藤は、これで防御率が1.55となった。規定投球回数に5イニング足らないが、巨人の高橋の1.71を上回る“隠れ防御率1位“である。 池田氏は、伊藤の安定感と勝てる理由を「勝てる投手は、スピードではなくコントロールと緩急なんだということを伊藤が証明している。トラックマンのデータなどは関係なく打者に何を感じさせるかというピッチング。ソフトバンクの和田や楽天の岸が切り開いた世界に伊藤もいる。打たれない理由は、あの投球フォームにあると思う」と分析している。 「ロッテ時代の成瀬を彷彿させるくらい右手を高く上げ、テイクバックのアクションも大きいが、打者から見ると腕が全部、体に隠れて、突然、出てくるのでタイミングにギャップが生まれる。球持ちもいい。だから142キロのストレートが150キロ以上に感じるのだろう。そこで内外のギリギリのところに変化球を落とされ、裏をかいてストレートが来る。打者が戸惑うのも無理がない」 この日、伊藤は5つの三振を奪ったが、すべてが見逃しの三振だった。いかに横浜DeNA打線が伊藤の投球に幻惑されていたかを証明する数字だった。 25歳のバースデーを勝利で飾った伊藤に“先人”池田氏がエールを送る。 「彼の目標もこんなところにはないと思う。私は5連勝してから怪我をして記録が途絶えたが、彼にはこのまま勝ち続けてもらいたい」 伊藤の次戦は15日の巨人戦。4月7日に7回1失点に抑えてプロ初勝利を奪った相性のいいライバルチームにもう一泡吹かせたい。